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1999.10.2(くもりときどきあめ)・28度
『ナイス・ショット!』
それはティショットをした瞬間の出来事・・・。
「ナイスショトーッ!」
「・・・わたしよりも早く云わないで下さい。」
キャディさんは笑いをこらえながら云った。
毎ホールなのだ。
自分で打って、自分で「ナイスショットーッ!」って云うのが。
それも打った瞬間に云うから・・・
「あんたね〜キャディさんより早いって、あんまりじゃない?」
「そーっすかぁ?でも、本当にナイスショットなんですよね〜」
キャディさんは球筋を見てから、本人が納得しているショットなのか
ちょっと考えてから声をかけるので
打った瞬間に分かる本人の「ナイスショット」にはどうしても
負けてしまうのだ。
1999.10.3(はれ)・24度
『結納』
17番ホール、打ち下しのショート。
「っとに、前の組は遅いな〜」
「まーだ、終わんないのかね〜」
「グリーンに1個しか球がないよ〜」
前の組はとっても時間がかかっていて、2ホールくらい前が空いてた。
「キャディさん、終わったらオレのクラブ
すぐ玄関まで持って行ってくれない?」
「はあ、いいですけど・・・お急ぎなんですか?」
「もう、お父さんはこんなときにゴルフなんかして〜って
絶対云われるだろうな・・・」
こんなとき・・・って?
キャディさんが首をかしげると
「息子の結納なんだよね、今日。」
「結納・・・ですか。」
そして同伴者の2人は
「仕方ないよ〜前が遅いんだから!前が遅かった、って云えば?」
「そうそう、前が遅いんだよ〜」
なんて、笑いながら云っている。
「それなら、遅れました〜って遅延証明書を書いてくんないかな〜」
前の組のグリーンと時計をかわりばんこに見ながら云った。
でも、そもそも今日はクラブ選手権の予選であり〜
只今、36ホール目であり〜
息子の結納とゴルフ・・・うーむ。
どっちも大事なんだろうなぁ。
1999.10.4(はれ)・23度
『柿ちぎりとと栗拾い』
あんまり天気がいいのでゴルフがしたくなったという。
奥様と2人でゴルフなんて、とってもうらやましい。
「1ホール目は右で、次は左、ショートはグリーンに乗らなくて
4番ホールは右にO.Bして打ち直しは左・・・。」
「あなた、全部フェアウエイを避けて打ってるの?」
「そんなことあるかっ!」
くすくすくす・・・キャディさんは2人の様子をうかがいながら
おかしくて仕方なかった。
「あとはまっすぐ打つだけですよね。」
5番ホールのティグランド。
「見てろよ〜」
ご主人は軽く1回素振りをするとドライバーを振った。
「ナイスショット〜ッ!」
球はキレイに真芯に当たった。
「あなた、やれば出来るじゃない。」
「うるさいっ。」
そんなこんなでハーフ終了して後半のハーフは
13番のティグランドにさしかかる。
大きな栗の木がご主人の目を引いた。
「うわ〜、栗がこんなに!」
「時間ありますから栗拾いでもしましょうか?」
キャディさんはそう云うと
ティグランドの目の前の栗の木の下に入って行った。
「キャディさん!このとなりの柿ノ木!これ食べれる〜?」
「ああ、どうぞ。それ、甘いらしいですよ!」
ご主人は柿の木にも気が付いてしまったようだ。
すると奥様が・・・
「あなた、柿よろしくね、わたしキャディさんと栗を拾うから!」
・・・・・確かゴルフしてる筈なんだけど。
2バックだし、前の組をを待ってる間だけだし、
後ろの組、離れているし・・・いいか。
1999.10.6(はれ)・23度
『ドライバー』
キャディさんは朝のクラブの確認をするときに
ドライバーを3本発見した。
それ以外にもスプーンとクリークが入っていて
アイアンとパターを合わせると全部で15本ある。
「お客さま〜1本多くて15本でお預かり致します。」
プライベートなのでクラブの本数が多くても
特に問題はないのでそのままスタートした。
そして18ホールのラウンドはあっという間に終わり
「今日1日お疲れさまでした。
またのお越しをお待ちしております。
ありがとうございました。」
とキャディさんが決まり文句を言い終わると
「キャディさんさ〜、ゴルフする?」
15本のクラブを所持していたお客さまが云った。
「ええ、すっごく下手なんですけど一応するんですよ。」
「ならお礼にドライバーを1本やろう。」
「え?」
「これ、1本持って行きなさい。」
「・・・はあ。」
いきなりクラブを1本渡されてしまった。
「いや〜、楽しかったなぁ、今日のゴルフ。
キャディさんありがとね。」
もう1人のお客さまがそう云いながら
キャディさんの手にしているドライバーを覗きこんだ。
「何、それもらったの?くれるっていうならもらっておきなよ!」
「・・・はあ。」
キャディさんはいいのかしら〜とドライバーを持っていたが
「ん?・・・これさ〜、おまえなー
これオレがおまえにあげたやつじゃないかー?」
「・・・。」
「いいじゃん、オレがもらったんだからオレのだろーが。」
「ったく、おまえな〜」
よくわかんなけど、くれるというのならもらってしまえ・・・!
キャディさんはその後お礼を云うと
ありがたくドライバーをちょうだいした。
1999.10.7(はれときどきあめ)・22度
『アナウンサー』
地元のローカルテレビの番組の司会を
元プロ野球選手と一緒にやってるアナウンサーの彼女。
しかも、さらにローカルな有線放送では
ゴルフのレッスン番組の
初心者用のコーナーも担当しているという。
ティグランドの立った姿はなかなかの恰好だった。
クラブをトップから振り下ろす・・・瞬間!
「かっらぶっり〜〜っ!」
・・・。
なんて大きな声で叫ぶんだろう。
「キャー、すみませ〜ん。」
「いいのよ、もう1回やってごらん。」
・・・。
同伴者の男3人はデレデレ。
フェアウエイの球を
「キャディさ〜ん、次は何番で打ったらいいんですか?」
・・・ってあんた、レッスンの番組やってんでしょうが!
「もうちょっと、左向いた方がいいと思いますよ〜」
キャディさんは云った。
「もしかして、右向いてます?
・・・これくらいですか?」
「もっと。」
「これくらいですか?」
「もっと。」
「えー、そんなに左向くんですか?」
「打って見てください・・・。」
「キャー、O.Bしちゃった〜」
「・・・。」
レッスン番組で、マナーやエチケットも習った方がいいと思う。
1つ打つ度に大騒ぎしている。
みっともなくて見てられない。
1999.10.8(はれ)・23度
『最近・・・』
「よろしくお願いしま〜す。」
キャディさんの顔を見るなり
「あれ〜?キャディさんさー、眼鏡かけてたっけ?」
「・・・。」
キャディさんは一瞬とまどったけれど
「最近、老眼がひどくて・・・。」
と云った。
「・・・あ、そう。父が、でしょ?」
キャディさんはくすくす笑ってあしらった。
「ねえ、キャディさん、ピンは何ヤード入っていたっけ?」
「・・・最近、物忘れがひどくって・・・」
かなり冗談で云っている。
「・・・今度は母が、でしょ?」
そして次のホールで前の組をまっている間。
「キャディさん、ちょっとこのドライバー、振って見て!」
というのでキャディさんはお客さまのクラブを手に取って
「おかりしま〜す」
と素振りを2、3回してみた。
「・・・あいたたたたた」
「どうした、キャディさん!」
「最近、腰が痛くって・・・」
「・・・今度はばーちゃんかよ〜。」
1999.10.9(はれ)・27度
『絶好調』
一番年輩の社長はとってもゴルフが好きそうだった。
毎回90を切るか切らないかのゴルフだと云う。
しかし、今日は違った。
スタートホールでバーディのがしのパー。
次のミドルでもパー。
ショートで上からのパターを入れてバーディー。
4番のミドルで3オン、
惜しくもパターを外してボギーにするものの・・・
「・・・。社長、ボギーでもパープレーっすか?」
と若くて飛ばし屋の3人がやられっぱなしだ。
そしてむかえた5番のロングホール。
「いくら調子がよくっても、そろそろ疲れていい筈なんだよね〜」
「うん、もうそろそろね。」
「いい加減、歳なんだからさ〜」
若手3人組は社長がくずれるのを待っている様子・・・。
しかし社長は3人の期待を裏切って相変わらず
ナイスなドライバーのショットを見せる。
セカンドも安定してる。
キャディさんの「ナイスショット!」にも力が入る。
4打目のアプローチの後の1ピンくらいのパターも
しっかりと打ててる!
「ナイスパー!」
「・・・。」
同伴者の3人は社長にそれぞれハンデをやっている。
この後の展開がますます楽しみだ。
その後社長は6番ボギー・7番ボギー・8番パー
9番でO.B.してダブルパー・・・ハーフ「42」でした。
『人の不幸』
「あんた、初めて見る顔だね。」
「はあ・・・、よろしくお願いします。」
キャディさんはちょっと、緊張気味だった。
いくつもの会社を経営するその方は
皆に「会長」と呼ばれている。
スタートホールで同伴者がバーディを取った。
「バーディを取ったら、次はあんまりよくないことがあると思うよ〜」
「まーた会長、そんな事云って!」
と云っていたら谷越えのショートでO.B.して
打ち直して寄せてグリーンで4パット・・・「8」
「あっはっはっは〜。8!よくもバーディーの後に
そんなに叩けるね〜(笑)!」
会長は大喜びだった。
「人の不幸ほど楽しいもんはないね〜、
72歳と8ヶ月、生きててよかった〜!」
そして問題の3ホール目。
DaiwaのG-3(シニア用の18万するドライバー)を
「えいっ!」とかけ声付きで一生懸命振り回して
バンカーに突撃。
「お嬢、クリーク取ってくれ。」
そして右にO.B.・・・。
打ち直してフェアウエイに出してスプーンで巻き返しをはかるが
またもや左にO.B・・・。
「え〜い、くそーっ!」
ホールアウトしたときに会長は「11」も叩いていた。
「あ〜あ、72年かかりました。
人の不幸は喜ぶものじゃないってことが!」
1999.10.14(はれ)・28度
『パープレイ』
ゴルフパックの為
前日の夜の宴会の酒が抜けてない人ばかりが
バス2台でやってきた。
スタートする前から
「キャディさん、このお茶飲んでいい?冷たい?」
といってガブガブ麦茶を飲む人がいた。
ティショットはチョロ。
あ〜、もう、イヤだな〜こんな酔っぱらい・・・
キャディさんはそう思った。
でも、気が付いたらそのホール(ロング)はパーなのだ。
ロングだからね。
チョロしてもね、そういうこともあるさ。
キャディさんはそう思った。
次のホールは短いミドル。
彼はドライバーで打ったティショットがバカ当たりした
(キャディさんはそう思った)
ので残りがピンまで50ヤードくらいだった。
乗せて2パットでパー。
まあ、そんなものだろう。
そしてショートホールは1オンして
1ピンくらいのパターがたまたま入ってバーディ!
なかなかやるじゃん。
キャディさんはそう思った。
次のミドルドライバーを左にひっかけた。
左の斜面の裾とはいえ、ライの悪いところから200ヤードはある。
乗らないとは思うけどとりあえず
前の組のグリーンを待ってみる。
・・・空いてから打ったけど、なんと
グリーンに乗せてしまったじゃないの!
ふ〜ん、もしかしてこの2段グリーンで
上手くいけばパーが取れるかもね。
・・・そして彼は2パットでおさめた。
「キャディさ〜ん、頭痛いよー」
2日酔いに苦しながら・・・。
5番ホールのティショットは、この日一番の当たり。
文句なしのドライバー。
もしかして・・・この人上手かも・・・
今頃気が付くキャディさんだったが
セカンドのチョロで
思い過ごしか、と思った。
でも、なんとか3オンしてピンの物凄い遠くに乗った。
そしたらそれが、入ってしまった。(>バーディ)
バーディ2個・・・なんかよくわかんないけど
それって2アンダーじゃない?なんで?
キャディさんは頭をかしげた。
こーなったら、ちょっと応援しよっかな〜
キャディさんはそう思った。
6番ホールは2オンしたけど痛恨の3パット
それでも1アンダーだ。
次のショートでスペシャルなショットを見せてくれた。
ピンの真上に1メートル。
もう、入れるしかないだろう。
・・・しかし、カップに蹴られて惜しくもパー。
まだまだ根性が足りないな〜
キャディさんはそう思った。
そしたら8番ホールのミドルで1ピンくらいのパットが入った。
え・・・これでバーディ3つ目!
なんかよくわかんないけどすごいじゃん。
3バーディ、1ボギーで最終ホールを残してはいるものの
2アンダーだ。
最終ホールボギー叩いても35!
どうなってるんだ、この酔っぱらいは。
「キャディさん、頭痛がひどくなってきた、お茶ちょうだい」
最終のミドルはセカンドが短かった。
寄せて・・・寄せてなんと3パット〜
「あ〜あ、3パットしちゃった〜」
と本人はガッカリしてるが
まわりは大騒ぎだ。
「パープレーじゃないですか!」
「すごい〜、わたしはパープレーなんてはじめて見ましたよ!」
1999.10.15(くもりのちあめ)・23度
『ピン』
打ち下しのロングホールのセカンドで
前の組のグリーンを待っていた。
じーっと、じーっと待っていた。
「どうぞ〜!」
前の組のキャディさんが手を上げて合図した。
・・・がグリーンにあるはずのピンがない!
「こら〜〜〜〜っ!旗は持って行くなー!」
待ってたプレーヤーが叫ぶ・・・
親切にもキャディさんからピンを預かった人が
ピンをさすのを忘れて持ったまんま
次のホールへ歩いて行っている。
「おーい!ピンは置いて行け〜」
と大声で云われてはじめて気が付いたようだ。
あわててピンを持って走って帰ってきた。
もしも何も云わなかったら・・・
そのままカートに乗っていたかもしれない。
(>いくらなんでも気付くか・・・)
1999.10.16(はれ)・19度
『病み上がり』
しばらく見てないな〜と思ってた。
でも・・・なんか違う、何処かがちがう。
ティショットをした後に
「どうかしました?」
と聞いてみた。
何かが違うのだ。
「入院してた。」
・・・!
「10キロやせたんだ。」
そう云われてはじめて気が付いた。
声に力がないこと。
顔色が悪いこと。
「8月にガンの手術したんだ。」
それも胃ガンだという。
ドライバーがこんなに飛ばないなんて!・・・と嘆いている。
ショートホール190ヤード、アゲンストを
ドライバーで打った。
ピンの真横に球は乗った。
「フルバックからでもドライバーで打ったことないのに・・・」
とても悔しそうにそう云った。
そして、こうも云った。
「欲しがりません。・・・治るまでは!」
本当はまだゴルフどころではないのだそうだ。
手術をして2ヶ月も立っていないんだから!
早くよくなってくださいね。
1999.10.17(くもり)・19度
『上がってなんぼ』
その2人は握っていて・・・
ホールマッチをしていた。
1ホール目はパーとボギー
2ホール目のこと。
パーだったプレーヤーが当然さきにティショットをした。
・・・ものすごいチョロだった!
もう一人は最高のドライバーショット!
「絶対勝てる!」
とっても張り切っていたのだが・・・
上がってみたらチョロしてもパー。
最高のショットでも3パットをしてボギー。
「悔しい!あんなチョロした奴に負けるなんて〜!」
本当に悔しそうだった。
本当に悔しそうだったから、よけいに見てておかしかった。(笑)
やっぱりゴルフは上がってみないとわからないというものね。
1999.10.18(はれ)・20度
『○○県グリーンキーパー会』
「カップは毎日切りなおしてるの?」
あたりまえだっつーの!
ともちゃんは心の中で思ったけれど
「はい。毎日、切り直してますよ〜」
と答えたそうだ。
「へ〜、すごいねー。うちなんて2、3日同じとこなのに。」
・・・。
なんだそりゃ?
「2、3日?うちなんてどうにかしたら
1週間同じとこよ、カップの位置。」
えらそうに言うことでもないと思うのだけど。
それぞれのゴルフ場の、それぞれのグリーンキーパーたちは
そう云ったそうだ。
「しかし、毎日カップ切ってエッジからの距離を表示して・・・
なんだか面倒くさそうだね〜」
「そうそう、毎日することないじゃん。」
・・・これがグリーンキーパーの云うことか!
ともちゃんはそう思ったそうだ。
○○県のゴルファーのみなさん
カップの位置、いつも一緒じゃないですか?
1999.10.20(はれ)・24度
『奥様』
まぎれもなく、全てが今日、この日の為に用意されたものだった。
新しいキャディバック・・・
新しいゴルフウェア・・・
新しいゴルフシューズ・・・
サングラスに大きなイアリングをぶらさげて・・・
そんな格好でゴルフっすかぁ。
「あ〜ん、このくつ足が痛くなっちゃうわ〜」
履き慣れたくつを履いてくればいいものを・・・。
「暑い〜、なんで今日はこんなに暑いのかしら〜」
長袖のセーター着て、タイツまではいてるから暑くても
仕方ないんじゃないかしら・・・。
「わたし、カートには乗らないから。」
そうね、その身体じゃ歩いた方がいいかもね・・・。
1999.10.21(はれ)・23度
『バック・ティ』
バック・ティからゴルフをするということは
大変な名誉なことです。
マナーやエチケットやルールもきちんとわかっていて
それなりのハンディキャップを持っていなければ
バック・ティからはまわしてもらえません。
・・・が、
「最近の月例って、ティが後ろでバックに近いから
今日だけ、バックティからまわってみてもいい?」
というメンバー様のご要望がありました。
「もちろん、よろしいですよ〜」
ということになった。
4人のプレーヤーのうち2人は「シングル」だった。
あとの2人が問題だ。
「わ〜、O.B.した!・・・あ〜あ、プレイング4だ〜」
「・・・。あの〜、申し訳ありませんがこちらから
もう1球お願いします。」
「え?なんで?プレイング4でしょ?」
「・・・バック・ティからの場合は打ち直しになります。」
「・・・。前から打てないの?」
ドライバーを持ったまま立ちすくむお客さん。
「うっそーっ!そんな〜、今日は球が足りなくなるよ・・・」
確かに・・・一人で3球ずつティショットをしている。
そのうち本当に球がなくなるだろう。
「・・・もう二度とバックからまわるって云わない!」
言い出しっぺの本人は一番落ち込んでいた。
しかし、シングルの2人はいいプレーをしていた。
一人は初めて来たゴルフ場で「79」でラウンド終了。
「やっぱり、違うな〜シングルって。
今日はいい勉強になりました。」
1999.10.22(はれ)・20度
『ティペッグ』
帰ってきたゆみちゃんは怒り狂っていた・・・。
「コンペなのに、前の組と1ホールも離れたのよ!」
「災難ね〜」
みんなは疲れきったゆみちゃんに云った。
「可哀想なくらい遅かったわよね。」
「だってー!」
ゆみちゃんのお腹は煮え繰り返っていた。
「打ったらカートに乗るか走るかして欲しいのに、
ティを探してるのよ!ティを!」
「いるいる!そーいう人!」
「見つかるまで探してるのよ!気持ちはわかるけど
前はいないし、後ろは常に2台もカートがいるのよ!」
そういう人に限って自分の打った球がどっちに飛んで
いったのかもわからないでいる。
「4人ともなのよ・・・ティを探すの・・・
見つかるまで進まないのよ!」
1999.10.24(はれ)・22度
『エチケットリダー』
キャディさんはスタート前にエチケット月間であることを
説明して、4人のプレーヤーのうちの一人に
エチケットリーダーの黄色いリボンを渡した。
今日、一日その人はエチケットリーダーなのだ。
スロープレイ、バンカーならし、たばこのポイ捨て・・・
エチケットに反したことがあれば
すすんで注意して改善を求める。
キャディさんにはなかなか云いにくいこともあるものだ。
「オナー、さっさとティアップして!グリーンが終わったら
すぐ打てるように準備してなきゃダメでしょう!」
素敵だ。
「ほら。チョロしたらクラブを持って走る!
カートに乗ってる暇なんかないんだからね!」
感動。
「素振りは1回!
2回も3回もしたって、どうせ当たりはしないんだから。
時間ばかりかかって!」
よく云ってくださいました!
エチケットリーダーはこうでなくっちゃ!
1999.10.25(くもりのちあめ)・19度
『距離』
「キャディさん、あと何ヤード?」
赤い花はエッジまで100ヤードだって説明を
最初にしたはずなのに。
「もう、100ヤード残ってないですよ〜」
キャディさんは云いながらPwとAwを手に取った。
「100ヤードないって、何ヤード?」
「・・・。エッジからピンは10ヤードのところに
切ってあります!」
何回云ったらわかってくれるのかしら・・・。
「で、何ヤード?」
「お客さまの球はエッジまで60ヤードくらいあると
思うんですよね〜、だからピンが10ヤード入って
いますから70ヤードというところでしょうか。」
「あ、そう。70ヤードね。」
キャディさんの手からAwを受け取った。
アプローチの距離感は自分の感覚というか・・・
「今日は前(白マーク)からまわるから
短け〜な〜」
なんていう方には敢えて距離は云いたくないのに。。。
(>わかってるから、よけいな事を云うな、という
顔をされることが多い)
「あ!トップしたーっ!」
「・・・。」
球はツーッとグリーンを走って奥のバンカーに入った。
距離を聞いても、ちゃんと打てなくちゃ
意味がないと思うんですけど。
1999.10.26(はれ一時、あめのちはれ)
『ティショット』
ショートホールで前の組に追い付いた。
「さっき、すごい記録を作ってしまった〜」
前の組の一人が云った。
「ティショット、50cm」
すごくショックだったみたいで顔は笑っているけど
悲しそうだった。
「うんん、そんなの!ね〜、キャディさん。」
「ええ、それくらい。」
50cmが何よ!っと云わんばかりの後続組。
「うちなんて、これくらいだったんだから!さっきのティショット」
片手で10cmくらい親指と人さし指を広げた。
「ええ、これくらいですよ!」
キャディさんもやってみせた。
「・・・。」
前の組の人は黙ってしまった。
10cmのティショットをした本人はカートに座ったまま
うずくまっていた。
1999.10.28(はれ)・20度
『KATANA(カタナ)』
噂には聞いていた。
彼がドライバーをかえてから「ハンデ2」の師匠を
20〜30ヤード置いて行くようになったということは。
そのドライバーが「KATANA(カタナ)」だ。
只今、人気沸騰中。
見ていても振りに自信があふれている。
「今のは飛んだ〜」
・・・と、ほとんど毎ホールぶっ飛ばしている。
「飛んでもその後がね〜」
師匠は笑いながらスコアカードを叩いて見せた。
「また90点・・・」
「スコアと飛距離が反比例だね」
師匠は厳しい。。。
1999.10.29(はれ)・20度
『ドラコン』
さっちゃんはたまたまスタート室にいた。
「あの〜。ドラコンは何番がおすすめですか?」
コンペの幹事さんが聞きにやってきた。
「4番と12番が宜しいかと思います。」
スタート室主任がお答えした。
「すまないけどハーフに2つずつドラコンしようと
思ってるんだ。もう、1つずつ教えてくれないかな?」
「はい、それでは9番と15番で宜しいかと・・・」
「ありがとう!」
すると、しばらくして幹事さんが引き返してきた。
「9番は広いけど、距離があるからさ〜
2番なんてどうかな?狭いけどいいと思わない?」
「・・・はあ、お客さまが宜しければ。」
「2番がいいよ、2番!2番にしよっ!」
その直後、さっちゃんはごく、小さな声で呟いた。
「知ってんなら聞くなよ!」
!
なんとその呟きは主任の声と全く重なった!
「主任〜!(笑)主任がそんなこと云っていいの〜?」
「・・・。」
「だって〜、コース全く知らない方なのかな〜って思ってたのよ
知ってるなら聞かなくていいと思わない?」
「思うけど、口にすべきでなかったと反省してるところ・・・」
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