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今日のお客さま。
1999年〜ゴルフ場で見たお客さまの珍プレー、好プレー、面白ギャグをキャディさんの実況中継でお届けしています。読むだけでルールやマナーも学べて一石二鳥。キャディさんからお客さまに云いたいことは「人の振り見て我が振り直せ」。今日は一体どんなドラマが展開されているのでしょうか。

【ご注意】いかなるゴルフ場とも一切のかかわりはありません。また、このお話はフィクションですがプレーヤーを非難・中傷するものではありません。

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1999.7.2(雷をともなう大雨)・23度

『雷警報』
九州地方はあらたな嵐にみまわれた。
今回は豪雨に雷付きである。
18ホールのラウンドが終わりキャディさんはあとハーフまわらなければならなかっ
た。
お客様も27ホール目だ。(何もこんなに雷がゴロゴロ鳴っているときに27行かなく
てもよさそうなものなのに)と思いながらキャディさんはバックティから雷と豪雨の中
をスタートした。
2ホール終了して3ホール目のショートホールには避雷針の付いた避難小屋がある。
オナーが素振りをした刹那!
ピカっ!
と空が光った。
一瞬の間をおいて
ビシャー!ゴロゴロ、ズドーン!バキバキバキッッッ!!
近い・・・。
その場にいた5人は立ちすくんだ。
「ウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
そしてクラブハウスから出された雷警報が鳴り響く。
すぐに目の前の避難小屋に逃げ込んだ。
「今のは近くに落ちてるな。」
一人が呟いたがみな一様に頷くだけで言葉はない。
しばらくすると急に雨足が強くなった。
「ゴルフしてて雷で死んだって話し、よく聞くよな。」
「うん、オレはイヤだな〜、ゴルフしてて死ぬなんてさ〜」
「ゴルファー保険も生命保険もいっぺんに使えていいじゃん」
誰かが冗談を云った。
するとこのメンバーの中で一番年上のお客さまが真面目な顔をして云ったのだ。
「ゴルフしてて死んだら本望だけどね。」
「・・・。」
ゴルフしてて死んでいいなんて・・・。
これが本当のゴルフ命の人だと思いました。

1999.7.4(はれ)・30度

『キャプテン杯・予選』
今日はキャプテン杯の予選であった。
18ホールスルー・・・。
休憩がない。
グリーンで「グ〜」っとお腹が鳴った。
お腹減った。
天気が回復して晴れ間が出てくると
暑さと空腹で倒れそうになった。
頼むからOBスレスレに打つのはやめてくれ。
山登りは一番苦しい。
お腹がペコペコなのにこんなにこき使って!
「暫定球、拾っておいて!」
こら〜!自分で拾わんかい!そこのデブ!
しっかり予選落ちしてからに〜!

1999.7.6(はれ)・30度

『ウッド』
スタート前にキャディさんはまず、お客様のクラブの本数を数えてクラブ確認をする。
今日のお客様はどんなクラブかしら、とキャディバックを開けた。
「・・・。」
なんなんだ。
クラブが見えない。
ア、アイアンはどこなんだ!
よ〜く見ると埋もれて出て来たアイアンは
9、10、11とサンド。
あとはドライバー、スプーン、バフィー、クリーク、6、7、8、9番ウッド・・・ウッド
が全部で8本。
お客さまは満80歳になるという。
この8本のウッドを使い分けるのだからすごい!
微妙に飛距離が違うのだろう。

1999.7.7(はれ)・30度

『藤原紀香』
最近の暑さは正気が失せてしまうほどの湿気を含んでいる。
毎日外で仕事をしているとはいえこの蒸し暑さはたまらないものだ。
しゃべる元気もなく、走る気力もなくなってくるというものだ。
186Yの打下しのショートホールへやって来た。
「4番にしようか、5番にしようか、藤原紀香!」
「・・・。」
誰も笑う人もない。
キャディさんはやっとの思いでため息をついた。

1999.7.8 (はれ)・32度

『暑暑」
晴れわたる空に白い雲(入道雲みたいなものが最近増えた)が浮かび九州の暑さは夏本
番!
昨日までの蒸し暑さとはうって変わって、カラっとした暑さが目にしみる。
あんまり暑いと「目」にくるのだ。
「あけみちゃん、もっと右向いて!」
「え〜、もっとぉ〜?」
・・・。
彼女のクラブを持ち運び、バンカーは必ず代わりにならしてやり、社長さんは1日彼女
につくしていた。
彼女の球の行くところに二人で行き
「はい、もっと腰を落として、もっとしっかり!」
なんて毎回やっている。
「あけみちゃん、はいどーぞ。」
ってカートも必ず隣に腰をかける。
暑い・・・というか、暑くるしい、というか。
歩くときも肩を寄せてくっついて歩く。
やっぱり暑い。

1999.7.9(はれ)・31度

『ヤーデージ』
コース内にはティグランドからグリーンに向かう途中にヤーデージを表示した目印にな
るものがよく見られる。
コースによって残り100Yや150Yのところに植木があったりする。
違うのは100Yの植木のヤーデージがグリーンセンターまでを表示しているのか、グリー
ンエッジまでを表示しているのか、だ。ゴルフ場に行くとまず、キャデイさんにそれを
確かめるのがいいと思う。
「キャデイさん!残り何ヤード?」
赤いバラの花はグリーンエッジまで100Yである。
スタート前に説明はしてある。
このホールのピンはエッジから30Yのところに切ってある。
それも、ティグランドの誰にでも目に付くところに表示がある。
このことも説明した。
問題のお客様は100Yの赤いバラの花の20Yくらい前にいる。
「打下ろし入れて100Yです!」
「え〜!だって、この花は100Yでしょう!もう、100Yないんじゃないの〜!」
「100Yぴったり打って下さい!」
キャディさんは目をつり上げて怒鳴り返した。
80(球のあるところからエッジまで)+30(エッジからピン)-10(打下ろし)=100
という、計算を瞬時にして、さらに風を見てその人のゴルフを見てその人にあった距離
を出す。つまり、極端な云い方をすれば同じところに球があっても
2人のプレーヤーにキャディが云う距離は違う場合もあるってことだ。
一人には「100Yきっちり打って下さいねー!」と云っても
もう一人には「100Yキレイに見たら多分大きいと思います。」
って具合に打つ人によってその人の距離があるので同じ100Yでも人によっては違うの
だ。
お客様はアプローチウェッジで100Yを打った。
「ナイスオン!」
キャディさんは大きな声で云った。
「わ〜!バーディチャンスだーっ!」
他のプレーヤーたちも一斉に叫んだ。すると
「キャディさん、ここからどれくらい?」
と他のお客様もキャディに距離を聞いてくるようになる。
「ありがとう!キャディさんが云った通りね。調度100Y!」
「ナイスオンでしたね。」
ヤーデージとキャディさんの距離と、プレーヤーの距離。
いつも全てが合うといいのだけれど。

1999.7.11(あめのちくもり)・24度

『ショートカット』
ゆかちゃんはいつもニコニコしていて、笑顔を絶やさない。
そんなゆかちゃんがスゴイけんまくで帰って来た!
「ちょっと、聞いてよ!もうっ。」
「何、何、どーしたのよ?」
何人かがゆかちゃんに周りに集まってすばやく話を聞く体制を作った。
「14番よ!右に打って下さいって云ったのに!」
「バンカー越えしようとしたんでしょ?」誰かが云った。
「そう!右って云ってるのに、どうして左ドックレックなら左のバンカー越えじゃいけ
ないのかって、云うのよ!」
「いるよね〜、そういう人!」
「そう、そう、超えるわけないのにね。」
レギュラーから424Yの左ドックレックのミドルはハンディキャップ「2」で、普通のお
客様はセカンドが200Yは平気で残るホールなのだ。
「でね、左はO.Bはないけど、バンカーから左は隣のホールに落っこちるラフだし、上
手くバンカーを超えてもライが悪くてグリーンを狙うならやっぱり右からって云ったの
に、その人左に打ったわけ!」
「それで?バンカー入ったんでしょ?」
ゆかちゃんは顔を真っ赤にしていよいよキレて云った。
「左のラフに落ちたの!それで、ラフが深くてボールが見つからなくて・・・“キャデ
ィさんが付いてるのにロストになった〜”って云われたのよーっっ!!」
「え〜っっ!ひどーい!」
「何それ〜!」
「ムカつくー!!」
「ムカつくでしょ!だから最初っから右だって云ってるのにさー!」
・・・ゆかちゃんはその後もしばらく荒れていた。
ドックレックしていてもショートカット出来ないホールだってある。
そこんところを、わかって欲しいな〜。

1999.7.13(はれ)・33度

『シングル』
その男はシングルだそうだ。
同伴者の3人が口をそろえて云った。
スタートホールでへんちくりんな球を打ってすぐ右にO.Bした。
・・・シングルか。
どんなシングルか見せてもらうとするか、キャディさんはそう思った。
スタートホールのミドルが「7」。
次のショートが「4」。
ロングが「8」。
ミドル「6」。
ふ〜ん、シングルねぇ。
ハンデ2のミドルは「5」
そして次のミドルは距離がないからと云ってアイアンを持った。
当たりが悪い。セカンドが140Y残った。
すでに自分でクラブを2本持って球のところへ向かっていたシングルさんに
「残りピンまで140Yですね〜」
とキャディさんは追いかけるように後ろから声をかけて距離を伝えた。
するとシングルさんは「140?じゃあ、キャディさん、」そのときキャディさんはシン
グルさんのクラブを手で探っていたのだが・・・
「ピッチング持って来て!」
「はい!ピッチングですね!」
え?ピッチングかい?
キャディさんの手には8番と9番アイアンが握られていた。
「・・・。」
そりゃあ何番で打とうが本人の自由だがキャディさんはごく普通に、意地悪でもなんで
もなく、クラブを渡しながらこう云ったのだ。
「残り140Yありますけど、ピッチングでいいですか?」
そのシングルさんはクラブを受け取り笑って云った。
「そーいうのを、いらん世話っていうの。」
「そーですね!」
キャディさんも笑って返した。(このへんが根性座ってるよな〜)
腹の中が煮えくりかえっているのだが絶対グリーン手前のバンカーに入ると思ったから
我慢できた。
ところがどっこい、ピッチングで超・フルショットしてピン横2メートルくらいに付け
て来たのだ!
そしてバーディパットがこれまた入った。
「ナイスバーディ!」
と云ったキャディさんの声は「ナイスパー!」と云った同伴者の声でかき消された。
「バーディですよ。」
男は面白くもなさそうに云った。(こっちも面白くないやい!)

1999.7.14(はれ)・31度

『奥様』
「これね、昨日買ったのよぉ。主人に内緒で!」
「まあ、どれどれ?」
「トブンダのバフィーよ!」
「あら、わたしはキャスコの7番と9番ウッドを買ってもらっちゃった〜」
今日は月に一度のレディース会である。
奥様たちはホンマのアイアンセットにウッドを4,5本入れて一日中相手を誉め殺しにし
ながらプレーする。
「まあ、奥さん飛びますこと〜!」
「そんなことないですわよ!奥さんの方が飛んでるじゃないですか!」
「なにをおっしゃるの〜!」
キャーキャー年がいもなく「そのウエア、素敵ね!何処で買ったの?」
「ほんとに、キレイな色ね!」
「え〜と、この服はたしか三越のね〜」
・・・。
よくしゃべる。

1999.7.16(はれ)・30度

『ボーリング』
「ねえ、ゴルフやめたら何する?」
Yさんは突然云い出した。
「え〜・・・。ゲートボール・・・?」
答えながらTさんは考え込んだ。
「ゲートボールでしょ、グランドゴルフでしょ、う〜ん・・・」
するとまたYさんが
「ボーリングなんかいいんじゃない?雨振ってもできるし!ずーっと転がしてていいじ
ゃん。」
「あ、それいいですね。」
つい、キャディさんも口を挟んでしまった。
「それにおまえさ、ボーリングだったら、投げては飲んで、投げては飲んで、ってずー
っと酒飲んでられるよ!」
Yさんに云われてお酒好きのTさんは苦笑いした。
「4時間、ボーリングしたら結構投げられるよな〜」
すっかりボーリングの話しに夢中になってしまったけどキャディさんは2人がボーリン
グをするところを想像して見た。
「あの〜、2人ともボーリングって似合わなそう・・・」
「・・・。」
お客様は顔を見合わせて云った。
「やっぱりゴルフがいいかな!」

1999.7.17(くもりときどきあめ)・28度

『遅刻』
時間は止ったりしないのは当たり前のことで、
ゴルフのスタート時間というものも待ってはくれないものだ。
コンペで遅刻者が出ると大変困る。しかも、一人二人じゃなかったら?
コンペのときは何人か車に乗り合わせて来ることが多いのでまとめて遅刻されると本当
に迷惑する。
組み合わせを変更したり、積み込んだばかりのバックをまた積み替えたり・・・。
今日は違うゴルフ場に行ってしまった人を時間ギリギリまで待ってスタートした。
間に会ってよかった。
一組、スタートが遅れると
その後ろの組全てに影響するのだ。
最低限のマナーですよ、遅刻しないってことは。

1999.7.18(はれ)・32度

『36ホール』
今日は県アマチュア選手権予選ラウンド。
71組の組数を39人のキャディでまわすなんて前代未聞。
半数以上のキャディが36ホールのラウンドを余儀無くされた。
すでに、最初のハーフで全身汗まみれ。
身体中から汗が吹き出してきた。まあ、これはいつものことなんだけど。
それにしたって、今日は36ホール、汗まみれにもほどがある。

27ホールのラウンドが終わりついに、36ホールに突入!
当たり前だけど、付いたお客様たちはまだハーフしかラウンドしてなくてとても
元気だ。
「あれ〜。ひっさし振りだね!」
プレーヤーの1人がキャディさんの顔を見て云った。
「あー、来てたんですか。」
メンバーではないけどよく来てくれるゲスト(ビジター)で顔なじみだった。
まだ、30代だけどとっても上手な人だ。
それならば、と「わたし、これから36ホール目なんですよ〜。」
「・・・は?」
他のお客様も冗談だろ?って顔をした。
「もう、足なんかパンパンなんですけど、頑張りますね。」
「よーし、ならグリーンは完璧なわけね?」
「・・・。あら〜、そういうことぉ・・・。アハハハ・・・」
やられた、そうくるとは思わなかった。
なるほど、グリーンは完璧・・・そんなバカな〜(^<>^);
「後半は42叩いても77だからさ、頼むよ!」
「は〜い。」
ん?42叩いても77?って?
「OUT35ですか〜?」
なんてこったい、もう!(嬉)やっぱ上手いなー
しかし、後半のINコースは結局40も叩いてしまった。
O.Bしたり、まさかのチョロ!したり3パットしたり・・・
バーディーが2つ来てなんとか40でおさまった。
75か。
とりあえず、予選通過で良かった、良かった。
無事にキャディさんも36ホールをまわり終え、もう、くたくたです。

1999.7.20(はれときどきあめ)・32度

『倶楽部選手権に向けて』
ゴルフ倶楽部の3大競技は理事長杯、キャプテン杯、そしてなんといってもクラブ選手
権であろう。
今年ももう、残すところはクラブ選手権のみである。

その人は去年のクラチャンだった。
「今年はどういう展開になるんだろうな。」
と14番のティグランドでドライバーを受け取りながら呟いた。
「去年はさ〜、自分に目標を決めたんだよ。」
わたしの顔を真正面から見据えて喋りだすのでわたしもつい、その人の目を正面で受け
止めた。「とにかく、全部30台で上がることを目標にしたんだ。絶対、どんなことがあ
っても40は叩かないって、自分で決めて。」
・・・。
キャディさんは目を離さないで話を聞いた。
「そしたらさ、結局全部30台でまわって、300ストロークを切ったわけ。そしたら、大
丈夫っていうか、目標が達成できたら優勝したんだけどね。」
「へえ〜、自分に目標かぁ。やっぱり自分のゴルフをするためにですよね?」
「そうそう。もう、ダメなんだよね、周りを見ちゃ!」
そう云って口をはさんで来たのはこの前のキャプテン杯で惜しくも2位に終わった方で
ある。
クラブ選手権は何と云っても、グロス競技であり、強い者が残り、強い者が優勝を勝ち
取る。
他のハンデ競技にない魅力がある。
去年のクラチャンとしてその人は、こういう言葉を残していた。

〜ある友人がゴルフを始めたなら3つの夢があると話してくれました。
その1つは「エージシュート」2つ目は「ホールインワン」3つ目は
「倶楽部チャンピオン」になる事。その倶楽部チャンピオンの夢はか
なえることが出来、大変嬉しく思っています。〜        

「ここは、あの辺に打って2番アイアンでグリーンに乗せる、っと。」
その人はスタンスを決めながらそのホールのイメージを口に出して描いた。
左ドックレックのミドルホール、454Y、ハンディキャップは2。
もちろんバックティからドライバーがナイスショットしても200は残る。
今年のクラブ選手権に向けてその人はドライバーショットをした。

去年の成績
予選:グロス150/決勝:36・37・38・36=297
300を切って見事優勝。

1999.7.21(はれ)・33度

『ラフ』
ラフはラフらしく伸ばそう!ということになった。
コース内にもいくつかグラスバンカーがあるが今まではセミラフ程度で打ち込んでも差
程問題ではなかった。
しかし、伸ばすことにして以来ラフから出すのはかなり困難を極めている。
そんな状態にもかかわらずお客様は4番アイアンを1本持って2回も3回もラフでクラブを
振っていた。
いつまで立っても拉致があかない。
キャディさんは7番アイアンを手に取り、ちょっと考えて5番も取って走った。
「あの〜!クラブ替えましょうかっ?」
4番で出るわけない。
「・・・。でも、ここ、まだ距離あるでしょ?」
お客様は振り向きもしないでまたアドレスに入った。
ザックリ
とりあえずセミラフに出た。
「ピンまで180Yですね〜!!」
キャディさんは大きな声で言い残して持って来た5番アイアンと7番アイアンを持ち帰っ
た。
確かに距離があるのだから大きな番手を振りたいのはわかるがゴルフはそんなものでは
ない。
距離があるから大きいクラブ、なんて思っている人は結構いる。
得に初心者の男性は使いこなしも出来ていない2番や3番を当たれば飛ぶと信じて離さな
いものだ。

1999.7.23(あめときどきかみなり)・28度

『キャディ・デビュー』
異色のキャディが誕生した。
なんと・・・元、モーターボート選手という経歴をもつキャディさんである。
彼女が今日、初めてキャディとして一人でお客様を連れて行った。
グリーンでのことである。
「キャディさん、目は?」
「いい方です!」
「・・・。」
お客様は絶句したらしい。
「?」
わたしは目はいいんだけどな、なんて思っていると
「キャディさん、芝目なんだけど・・・。」
と云われたそうだ。
彼女の今後に期待したい。

1999.7.24(あめかみなりのちはれ)・26度

『1オン』
175Yのショートホール。
打ち下しを見ても170Yは打っていかないとピンがエッジから24Y奥に切ってあるので
なかなかピンまで届かない人が多い。その旨を伝えてプレーヤーがクラブを選択する。
しかし・・・
「どーしても、グリーンに乗る気がしないんだよ!」
6番アイアンを手にして一人が云った。
「本当に!何故だか乗る気がしない。今日はダメだ・・・」
「そんなこと云わないでくださいよ〜、ここのショートは18ホールの中で一番グリーン
が大きいんですよ!乗るだけなら150Y打ったらグリーンに乗るんですから!」
キャディさんは半分は励ましで、半分は意地悪でそう云った。
「わかってんのよ!こんなに大きなグリーンなんだからさ!」
お客様は苦笑いしながらアイアンを握りしめた。
ビシッとアイアンが入った。
キャディさんは多分6番じゃ無理だと思っていたが今のアイアンの入り方は結構いいとこ
ろに付くかも!と思った。
「ナイスショット!」
球は真直ぐピンに向かっていた。
が、グリーンエッジにぴたっと吸い付くように止まってしまった。
「え〜〜〜っ!」
打った本人が一番ショックだったらしい。
誰もが乗った!と思ったショットは150Yしか飛んでないことになる。
「ほら、乗らないでしょ・・・。」
「キャディさん、5番取って。」
2番手のプレーヤーはそれをみてクラブを替えた。

1999.7.25(はれ)・29度

『呼び捨て』
その人はメンバーで何度も一緒にラウンドしたことがある。
キャディさん達のことを皆、下の名前でちゃん付けで呼ぶことと予約の電話を入れると
フロントの子と世間話をして30分も40分も電話を切らないことで有名だった。
ところがどっこい!
突然、今日は朝、顔を合わせた途端名字で呼び捨て!
なんか違う。
なにかが違う。
それに加えてミスショットしたら
「今おれの事バカにしただろ!」
・・・。
いいがかりはやめて欲しい。

199.7.27(あめときどきはれ)・27度

『左きき』
得意の18番、最終ホールはここのところ4回連続のバーディ!
今日もこのセカンドをピンにからめて1パットで沈める予定だった。
今日はいつもよりピンが少し池よりに切ってある。
そう思った瞬間、球が左に反れて行った。
「あ〜あ。」
同伴者がため息をつく。
球は砂から池に入り、球はちょうど隠れるくらいに水をかぶっていた。
「それはもう、出した方がいいよ!」
同伴者たちが口を揃えて云う。
池では仕方ない。
スタンスが水の中では・・・
「へへへ〜!オレはここが得意なんだよね〜」
池に入れた本人は何故か笑っている。

「左なんだよね、俺は、」
そう、左ききだ。
ピンにむかってスタンスは・・・右!
ということは!
スタンスは砂の上、水に入ることなく球を打てるのだ。
「あれ〜!そっか〜、打てるんだ〜!」
みんな、すっかり左ききということを忘れていた。
クラブを開いて水の中を叩くようにショットしたら球が水の中から叩き出されてきた。
そしてピンにめがけて転がって行く!そのまま・・・・入ってしまった。
最終ホール、5回連続のバーディ!
なんちゅう人だ、まったく!

1999.7.28(あめのちはれ)・34度

『巨人ファン』
お客様のゴルフボールは「Newingの55番」。
7ホール目までこのボールを使っていたがあえなくショートホールでの第一打のO.B.
「ああ〜!僕の55番が〜、松井くんがなくなった〜」とお客様は叫んだが、とても
取りに行けるようなところではなかったのでO.B.ということで断念した。
そして8番ホールで新しい球を取り出して
「柴田くん、今度はなくならないでね。」
といって、「Newingの7番」を使いはじめた。どうやらお客様は読売巨人軍のファン
であるらしい。
ティショットはフェアウエイを大きく左に外したもののなんとかボールは生きのびて
いた。最終の9番ホールではお客様がオナーだった。
「最後は気持ちよく行きたいね!こんなにフェアウエイ広いんだし!」
と云った途端に、何でかティグランドの左わきのそんなところになんで?というO.B.
ゾーンにチョロした球は入りこんだ。
「柴田〜っ!」
お客様は球を追い掛けて暫定球も打たずに、残りの3人はティショットも済ませてい
ないのにO.B.ゾーンに走りこんだ。
「見つけた〜!」と云って帰ってきて、お客様は同じ球でティショットをすると云っ
てティアップした。
「あ〜あ、O.B.から取って来た球なんて、またO.B.に行っちゃったらどーすんだよ!」
という友人の言葉も聞き入れずに・・・。
「ああ〜〜〜っっ!」
打ち直した球は・・・見事に同じO.B.ゾーンに入った。
「柴田〜!」
力なくお客様は呟いた。
居合わせた同伴者は大爆笑だった。
「もう1球、お願いします。」
キャディさんは云った。
「くそ〜!よーし、今度は王さんだ!」
お客様は「Newingの1番」を取り出した。
3回目のティショットはフェアウエイの真ん中をキープ。
「はじめから王さんを使えば良かった〜。」

1999.7.29(あめ)・25度

『土砂降り』
昨夜からの豪雨、朝になっても雨は止むことなく降り続いている。
はげしい雨だった。
ティグランドに立った瞬間、雨は横殴りになり全身雨に叩きつけられた。
なんでこんな日にゴルフすんのかな〜
キャディさんは心では思っていても口には出さなかった。
「キャディさん、今ならまだ球打ってないし、やめられるかな?」
・・・。
まるでやめる気なさそうな人が聞いてきた。
「・・・わたしからはなんとも。お客様しだいですね。」
「よ〜し、前が空いた、打っていい?」
ほらね、打つ気でいるんならはじめからやめられる?とか聞かないでくれる!
まったく!
雨はいよいよ激しさを増した。
カート道を滝のような雨が濁流となって流れていた。
それを目の前にしても全くやめる気はなさそうだ。
キャディさんも覚悟を決めた。

1999.7.30(はれ)・30度

『長崎の女(ひと)』
「あの山は何いう山なんですか?」
ショートカットの女性は見た目は若く見えたけど「きっとわたしはキャディさんの倍は
歳がいってるわ。」
と云っていた。
山の頂上にはたくさんのアンテナが立ち、あそこは秘密基地?って冗談で云う人もいる
ほどだ。
とにかく、アンテナが本当にいっぱい立っているのだ。
「八幡岳(はちまんだけ)といいます。テレビ局のアンテナや警察のアンテナがたくさ
ん立っているんですよ。」
「稲佐山とどっちが高いかしら?」
稲佐山というのは長崎のあの有名な夜景を見る素晴らしくキレイな展望台のある山だ。
「この山の方が高いよ!稲佐山は300mしかないんだよ。」
連れの男性が云った。
「みなさんは、長崎からいらっしゃったんですか?」
「そうよ!長崎市内。稲佐山のほうが低いけど景色は稲佐山からの方がきっといいわ
ね。多分、あの山から景色をみたら夜は真っ暗で何も見えないと思うわ。」
すみませんね、田舎なもんで!

1999.7.30(はれ)・32度

『汗』
やっと茶店に到着した。
・・・。
お客様がいきなり服を脱ぎ始めた!
「ああ〜、暑い暑い!」
キャディバックから新しいポロシャツを取り出して着替えている。
と思ったら、「キャディさん、これ捨てといて。」
はい!っと今脱いだ汗でびしょびしょの服を差し出された。
自分で捨てろよ〜っ。




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