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2005.3.30 晴れ
『オナー』
5番ホールのティグランドでお客さまがティアップした。
「えっ?お前がオナー?」
「そうだよ」
「うわー、お前がオナーなんて彼女取られるより悔しい!」
キャディさん爆笑。
「・・・お前、何云ってんの?」
2005.3.27 あめ
『暫定球』
「ここのグリーンは2段グリーンね。お客さまに必ず2段グリーンになってますから、
って云っとくこと。」
「はい。」
新人キャディさんはメモを取りながら説明を聞いていた。
「あとね、奥はバンカー越えたらすぐO.B.だから、O.B.のときは?」
「・・・暫定球」
「そう、暫定球打ってもらうの。」
そのとき、アプローチをしていたお客さまのボールが目の前を通過した。
ボールはピンも通過した。
そしてグリーンの奥のバンカーも越えて行った。
「ね、こうなっちゃうから。こういうときは暫定球打ってもらう。」
「はい。」
「O.B.のときの罰は?」
「1打」
「そう。よく覚えてたわね」
研修はこれからも続く。
2005.3.26 はれ
『ドラコン』
ロングホールにやってきた。
「うわー、あのドラコン飛んでますねぇ」
キャディさんが遠くのドラコンフラッグを目を細めながら確認した。
やけに飛んでいる、と思った瞬間もの凄いフォローの風が吹いていることに気付いた。
「頑張ればいける?」
お客さまがキャディさんの顔を見た。
「このフォローなら大丈夫です。」
「・・・俺の力が足りないから人の力を借りてでもドラコン取ってやる!」
「バカ、それを云うなら自然の力だろ!」
同伴者に突っ込まれていた。
2005.3.24 あめ
『カッパ』
「あんな言い方ないよね」
数人のキャディさんたちがそう云いながら帰ってきた。
雨の日なのでラウンドから帰って来るキャディの後片づけの手伝いをしていたのだ。
濡れたクラブをグリップから拭いたり、傘を吹き上げたり、雨の日はいつもりも片づけに時間がかかる。
「自分で脱いだカッパをどっかに落としてきたくせに、キャディのせいにするんだよ?」
「ああ、キャディさんがカッパをなくした〜とか云ってさ。」
「それで、片づけを手伝ってたわたし達にまで云うんですよ」
「あんたたちも一緒に捜しに行け、って。」
「もうちょっと言い方があるよねー」
「この風でその辺に適当に置いてたらそりゃ吹き飛ぶわよ。」
「で、どうしたの?」
「無視、無視!」
「自分で捜して来いっていうの!」
「・・・・。」
結局担当のキャディがコース内を捜しに行くと、木の枝に引っかかっていたらしい。
2005.3.23 あめのちはれ
『キャディ研修・1日目』
「おっ、新人さんか。」
「今日は、宜しくお願いします。」
キャディさんはメンバーさまが1人でもいてくれて良かった、と思った。
「頼みますよ、今日は。」
「俺、なんかすることある?」
お客さまは新人キャディがいるというだけで張り切っている。
「そうですねぇ。取り敢えず、今日は初めてのラウンドなので・・・」
キャディさんは上目遣いにちょっと早口に云った。
「ボールを見えるところに打ってくれればいいです。」
「・・・・。」
2005.3.20 はれ
『九州100年振りの地震』
キャディさんはOBボールを捜しに行ってたんですよ。
斜面を降りて、ブッシュの中をボールを見つけて這い上がって来ました。
最後の一歩を大きく踏み出したときに、自分の思ったところと違うところに着地していたのです。
地面が動いた?・・・気のせい、気のせい。
「ボールありましたー」
お客さまにボールを手渡したときに
「佐賀って地震とかありましたっけ?」
何すっとっぼけたこと云ってるんだろ、このお客さん。
「ないですよー」
そう、九州の人間は地震はないものだと思っている。
「今、揺れたんですけど・・・」
「目眩じゃないですかー」
・・・
次のホールはショートホールだった。
前の組のグリーンを待っているときにさっき目眩がしたお客さんが
「クラブってどんなときに変えるものなんですか?」と云った。
「・・・。」
一瞬、みんな考えた。
「当たらなくなったら変えようと思うけど、」
と1人が云うと、もう1人は
「お金が貯まったら」
と云うのでキャディさんはプッと笑った。
「先輩からこのクラブ一式1万円で買ったんですけど・・・」
「え?そーなんですか?このアプローチ2本も入ってたんですか?」
とキャディさんが云うと、他のお客さまたちがどれどれとクラブを見にやってきた。
「すげぇ。グリーン周りの達人みたいなクラブじゃないか」
「寄りそうなクラブだなぁ、“L”と、“60”度だって。」
キャディさんは苦笑しながら
「でも、使ってるのはピッチングだけなんですよね」と云った。
「いつ使ったらいいのかわからないんですよ。いつ使えばいいですか?」
お客さまが真顔でキャディさんに聞くので、キャディさんも真顔で答えた。
「ここのグリーンを奥に落として下から“L”でロブショットしてください。」
「・・・。」
お客さまはまた目眩を起こしそうだった。
・・・
途中で茶店に寄ると、さっきのは目眩ではなくて地震だということがわかった。
・・・
ハウスに戻ると地震の話題で持ちきりだった。
「わたし、地震のせいでホールインワン逃したんですよー」
ホントかよ。(笑)
キャディさんたちは思い思いに地震の時の状況を語る。
「カートを運転したらお客さんがカート揺らすから“危ないですから
揺らさないでください”って云ったんですよ。いるじゃないですか、
酔っぱらってるお客さんでカート揺らす人」
「わたしなんか、OB連発してボールなくなったお客さんがキャディバックを
ガサゴソやってるんですけど、カートがめちゃくちゃ揺れるんですよ。
もう、カート揺らしすぎですよ!って云ったらごめんごめんって。
でも、ホントは地面が揺れてたんですよ。」
ゴルフ場は震度「5」
ゴルフ場に被害こそなかったけれど、福岡〜佐賀間の高速道路が全面通行止め。
福岡方面のお客さま達が地震で来れなくなったという連絡が入った。
ところが、その直後、下道で行くからスタート時間を昼過ぎに変更してくれと云ってきた。
そこまでしてもゴルフに来る根性。素晴らしいよ!
2005.3.19 はれ
『ティグランドにて』
後半戦を前に前半のスコアを計算しながら、
「10枚も負けてる・・・」
お客さまはがっくりと肩を落としたが、気を取り直して、
「後半は1ホールに1枚ずつ勝っていけばいいのか。」
「でも、9ホールしかないですよ。」
キャディさんがドライバーを渡しながらすかさず突っ込む、
「・・・・。」
2005.3.17 あめ
『参加賞』
キャディさんが玄関にいると、中からお客さまが出てきた。
手にはコンペの参加賞の20個入りの卵が入った箱を持っている。
「参加賞だけ持って帰ってんのかな?」
「帰りは荷物が増えるから車に置いとくんじゃない?」
「そっか。」
キャディさんたちはそっとその様子を見ていた。
雨が降っていたので階段を下りる前にお客さまは傘を差す。
そして見えなくなった。
しばらくすると、ガシャンッ!
「・・・・。」
「落としたね。」
「間違いないね。」
2005.3.16 はれ
『ティ』
お客さまがティショットをすると、勢いよくティが飛んだ。
「ティは?」
知らんがな、、、、
「何色ですかー?」
「木のやつ。」
やっとの思いでティを探し出すと、次の人が打つ。
また、ティが飛んだ。
でも、今度のお客さまはすぐにティを見つけた。
「やっぱり、色つきじゃないとね!」
拾ったティをキャディさんにかざす。
「・・・。」
そのティの色は、・・・白。
色、付いてないじゃん!
2005.3.15 小雨のちはれ
『プッシュ』
27の最終ホール。
「プッシュしようか」
負け組の2人がかけあった。
「それと、もう1個ちょうだい」
「ここ、ハンディホールだよ?」
「それ入れて2個でお願い。」
「何云ってんのー!」
よく見る光景だわ、とキャディさんが思いながら
話がまとまるのを待つ。
すると、負け組が帽子を取った。
2人して頭を下げ、声を揃えて云った。
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
これも、よく見る光景。
2005.3.12 ゆき
『研修会』
雪が降ってきた。
お客さまが様子を伺いにハウスから出てきた。
「今日はぼくたちの組に付いてくれるんだよね?」
キャディさんと目が会った。
「・・・の、はずだったんですけどねぇ。残念ですねぇ。」
「避けてるな」
「違いますって。キャンセルが出てずれたんですよ、」
「あー、そーか。」
雪・・・積もって来たんだけどなぁ。
止めないだろうね、研修会は。
2005.3.11 はれ
『ショートホール』
「距離いくつ?」
「えーっと、エッジまで135ヤードで、ピンが18入ってるから〜」
「153か。」
「正解!」
ティグランドから谷の向こうのグリーンを見つめながら・・・
「みんなショートしてるじゃん」
お客さまの言うとおり、前の組はみんなグリーン手前からアプローチをしている。
そして、状況を考えながら
「短かったってことは〜」
と言うと、
「計算間違えたんじゃない?」
同伴者が言い放った一言にキャディさんは大笑いした!
そうかもね!
2005.3.10 はれ
『ボール』
左ドックレッグのロングホール。
セカンドを左に引っかけたお客さまにキャディさんが暫定球を促す。
暫定球を打ったお客さまをカートに乗せて
グリーンまで150ヤード地点にカートを進める。
打ち下ろしているのでコースを見渡しながら
さっき、左に引っかけたボールはないかなぁーとキャディさんが捜していると、
「あった!ありましたよ!セーフです。」
グリーンまで残り78ヤードの排水溝のところに白いボールが見えた。
方向的にこのボールに間違いないだろう。
「あった?ニューイングって書いてある?」
「そこまで見えませんっ(-_-;)」
ったくよー、ボールがあったことがやっと確認できただけなのに、
こんなとこから文字まで識別できるわけがないだろーがっ!
2005.3.9 はれ
『日本プロ選手権・予選』
609ヤードのロングホールにやってきた。
キャディさんが迷わずドライバーを取ろうとすると、
「あ、ここは、」
と言ってプロはスプーンを取った。
でも、キャディさんが掴んだドライバーも一緒に持って行ってくれた。
もう1人のプロも、普通にスプーンだけを持って行く。
なんで2人ともスプーンなの!?
ところがオナーのプロがスプーンを持って行ったのに
ティグランドでドライバーのヘッドカバーを抜いた。
キャディさんともう1人のプロは顔を見合わせた。
「!」
すごい風だ。
アゲンストの。
「持って来ましょうか?」
「・・・いいっすか?」
「はいっ。」
キャディさんはカートに走り出した。
ドライバーだよ、やっぱり!
2005.3.5 ゆきのちくもり
『ショートパンツ』
あたりが薄暗くなったかと思うとあっという間に雪が降り出した。
コンペが中止になり、ハウスに引き返そうとお客さまをカートに乗せるキャディさん。
「きゃー!冷たいっ!」
「・・・。」
キャディさんの隣りに女の人が座っていた。
雪が降るほど寒い中、ショートパンツで。
そりゃあ、足も冷たかろう。
しかも生足。
年甲斐もなくそんな格好で来るからさ!
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