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『年に2回』 「いやー、参った。参った。」 「なんですか?またデビューですか?」 「うんん。デビューじゃないんだけどね、」 キャディさんはちょっと一息おいてから続けた。 「年に2回のゴルフの2回目に付いた。」 「・・・あ、ああ、よくあることですよねぇ」 「この時期は特にね。」 「わたしも今日で3日続けてデビューなんですけど。」 2003.12.28(はれ) 『3番ウッド』 「あのさ、キャディさん。」 「はい。」 お客様が自分のクラブを指さして云った。 「この“3”っていうのは、“3番”っていうこと?」 「は?」 キャディさんはスプーンを見つめながら確かにそこに書いてある“3”という数字を見た。 他にどういう意味があんのかー!? 「キャディさん、クラブがね、当たるのと当たんないのがある。」 「・・・・。」 クラブは悪くない、クラブは。(^=^; 腕の問題だろー。 2003.12.27(はれ) 『別料金』 「キャディさん、今日はうちの婿殿を連れてきたんだけど、ひとつ宜しく」 ひとつだかふたつだかわかんないけど、なんで宜しくなわけ? 「初心者だからね、数数えてあげてね」 「別料金で。」 キャディさんがにっこり微笑んだ。 「・・・・。」 2003.12.26(あめのちあられ) 『あられ』 5番ホールのティグランドにやってきた。 寒いと思っていたら雨があられに変わった。 「あ、あられが降ってきた」 キャディさんが呟いた。 「あれれ〜、あれれ〜」 「・・・・。」 お客様が一生懸命洒落を云っていた。 2003.12.25(はれ) 『サンドウェッジ』 セカンドを打ったお客様のボールがキャディさんの予測通りにバンカーに入った、 と思ったらどうも入ってないかもしれない。 予測しておいたのですでにサンドを持ってお客様の側まで走ってきてクラブを差し だしていたキャディさん、ちょっと考える。 「バンカー、・・・じゃないかもしれませんね」 「うん、でも持って行くよ。これから入るから。」 「・・・・。」 2003.12.23(はれ) 『デビュー』 「これがティっていってね、ティとボールはいつもポケットに入れておくこと。」 う、うわー。出たよ、デビューだよ。 キャディさんはそっとそんな会話をしている組をカートで追い越してティグランドに向かった。 よかった、後ろの組じゃなくて。 と同時に後ろのキャディが目で合図をしているのに「頑張れ!」と目で返すと自分のお客様が ティグランドでなんか・・・してる。 「これがティマーカーでここからクラブ2本分までいいんだけど、この中にボールをティアップ して打つのね、」 「ふーん、そうなんだぁ」 ふーん、・・・・。わたしのお客さんみたい。(^_^;) 2003.12.21(はれ) 『霜』 とにかく今年一番の防寒対策でキャディさんは外に出た。 朝、8時。トップスタート。 グリーンが真っ白だった。 でも、ボールを拭くためにタオルを水につけるキャディさん。 必要最低限しか濡らさないようにする。 ・・・・と、いざボールを拭こうとしたとき。 「あ、凍ってる。」 さっき水につけた部分が凍っていた。 2003.12.20 (雪のちくもり) 『吹雪』 キャディ控え室のドアを開けた瞬間、とっさにドアを閉めたキャディさん。 「どうした?」 「吹雪いてる」 「・・・雪っ?」 「積もるかな。」 「積もるわけないじゃん」 「だよねー」 「お客さんゴルフやめないかな?」 「やめるわけないじゃん」 「だよねー」 よーし、覚悟を決めて行くしかない!(^_^;) 2003.12.19 (ゆきのちくもり) 『強風』 「ちょっと、わたし15番で飛ばされたのよっっ!」 と、帰ってきたキャディさんが云った。 「何バカなこと云ってんのよ、いくら風が強いからってかーちゃんが飛ばされる わけないじゃないの。」 と軽く流した。 体重が70キロ弱はあるのだから。 と、そこにキャディ1の巨体のかいちゃんが帰ってきた。 「グリーンで飛ばされた。」 「・・・・またまたー!」 「ホントだってば。」 80キロを超えるかいちゃんが真面目な顔でそう云うのだ。 今日は、すごい風に違いない。 2003.12.18 (くもり) 『クリスマスプレゼント』 「今年のプレゼントは何にしようかなあ」 とお客様が云った。 「23日のゴルフのとき、キャディさんへのプレゼントは何がいいと思う?」 「・・・・え?」 「毎年クリスマスのときはキャディさんにクリスマスプレゼントを用意して来 てるんだよ」 「えー?そうなんですか?」 「お正月にはお年玉。これ、常識だろ?」 「へえ〜」 とキャディさんは感心した。 そんなお客様ばかりだったらいいのに、と思った。 2003.12.16 (はれ) 『久々』 「久しぶりですね。」 顔なじみのメンバー様にキャディさんが云った。 「お前も、古くなったのう・・・」 「古いとか云わないのぉっ」 ヘッドカバーでお客様を突っつくキャディさん。 後半の2ホール目のことだった。 「うわ〜っ!こんなところでOBなんてー!」 カートに乗せてプレイング4に向かう途中のことだった。 「あー悔しい!!もう、お前、あのボール取って来い!」 とキャディさんに向かって暴言を吐くお客様。 しかしなじみのお客様。キャディさんも負けてはいない。 「何云ってるんですかっ!!あのボールさっき2回も拾って来たんですよっ!」 「はいっ。ごめんなさいっ。」 慌てて頭を下げるお客様。 「悔しいのぉー。ああ、俺も女には何も言えないからなぁ。あとで支配人に言っ ておくか、キャディにこんなこと言われたって。・・・男にならなぁ、俺は何で も言えるんだぞー!」 「はいはい。(-_-;)」 2003.12.14 (はれ) 『バナナ』 茶店につくとお客様はみんなカートから降りた。 と、忘れ物をしたのか一人だけ戻ってきた。 キャディさんはタバコかライターかとかごを手探りしていると 「ゴリラのエサ取って。」 「えっ?」 目の前にバナナが1本あった。 2003.12.13 (くもり) 『夢』 7番ホールにティグランドに行くと、前の組がいた。 「さっきの10は夢!夢!夢!」 なにやらティアップしながらそんな声が聞こえてくる。 「間違い間違い間違い!」 続けて自分に言い聞かせている・・・(^^;) 「間違いじゃない!」 と突っ込む後ろの組のお客様だった。 2003.12.12(あめのちくもり) 『ティショット』 4番ホールにやってきたキャディさんはレギュラーティを通り越して フロントティでカートを止めてしまった。 「キャディさん、行き過ぎだよ」 「あ、すみません!」 あわててカートをバックさせようとすると 「いいよそのままで。まさかそんなとこには誰も打たないよ」 「すみません、」 気を取り直してティショットを始めたとたんの出来事だった。 お客様の打った球が見事にカートにぶつかった。(=_=;) ガツンッッ! と当たったボールはそのまま前方の池に飛び込んだ、と思ったらコン クリートに跳ね返って急上昇。 レディースティのティグランドにポテっと落っこちた。 「・・・・・。」 「キャディさん、いいところにカートとめてたね」 「・・・2ペナですけどね、」 というのは限りなく小さい声で呟いた。 2003.12.11 (はれ) 『バーディ』 「やっときたー」 「ナイスバーディ!」 4回目のバーディチャンスだった。 「世は満足じゃー」 本当に満足そうなお客様でした。 2003.12.10(くもり) 『スピード』 17番ホールにきたときだった。 「あと、2ホールで今日のゴルフも終わりか。」 お客様がスコアカードを眺めながら呟いた。 「今日は、今日のスコアのスピードで帰ろう。」 ???? キャディさんはなんのことだかよく飲み込めなかった。 「115くらい」 と云ったお客様にキャディさん爆笑!!! 2003.12.9 (くもり) 『初心者』 「ちょっとキャディさん、前の組はなんとかなんないの?」 「・・・・はあ。すみません。」 あっちにチョロチョロ、こっちにチョロチョロ・・・ スタート前に前のキャディがぼやいていた。 「あのー、わたしのお客さんなんですけど、アイアンが〜まだビニール かぶってるんですけどどうしましょう。」 「ご愁傷様。」 2003.12.7 (はれ) 『カート』 お客様がティショットを打ち終わるとキャディさんはカートを発進させた。 ブーンッ! 「キャディさんっ、暖房入れて!」 「・・・・。」 2003.12.6 (くもりときどきあめ) 『パット』 ゴルフを始めて1年半の奥様はグリーンで苦戦していた。 3打でグリーンに乗せると、パターを持つ。 「なんで入らないのかしら」 もう、4回目か5回目のパットをする独り舞台状態の奥様。 ご主人といえば、呑気に歌を歌い出した。 「よーく考えよう♪」 2003.12.4(くもり) 『バンカーショットの勝ち』 16番ロングホール。 3打目は100ヤードの打ち下ろし。但し、ピンは2段グリーンの上の段。 距離感が難しいアプローチショットを一人はグリーン右手前にショートした。 もう一人は左に引っかけ、グリーン奥左のバンカーに入れた。 またしても寄せ勝負。 グリーン手前からピッチングで転がして寄せるお客様。 カップに向かって転がって行く。 すると、バンカーからもボールが上がってきた。 こちらはちょっと勢いが強い。 下から転がってきたボールがカップまであと20センチ! そこへ、バンカーからのボールが割り込んで来た。 ばんっ!・・・上からふってきたバンカーショットは転がってきたボールを押しのけると ピタっとカップ20センチ手前で止まった。 その反動で下からカップを目指してきたボールは1メートル吹っ飛ばされた。 「ねえねえ、俺のバンカーショット見てくれた?」 お客様がバンカーからよっこらしょ、とグリーンに上がってきた。 「・・・・見ましたよ!人のボール押しのけてピンそばで止まってます。」 この勝負、バンカーショットの勝ち。 2003.12.3 (はれ) 『ヘルペス』 「今日は誕生日なんだよ」 というお客様にキャディさんはおめでとうございます、と頭を下げた。 「お祝いにちゅーして。」 というお客様にキャディさんは 「今、ヘルペスなんでうつりますよ」 と言い返した。 キャディさんしてやったり!と思っているのは大きな間違いで、 お客様は薬剤師さんだった・・・。 「なんか効く薬とかありますか?」 これは幸いと本気で聞いてるキャディさんに「あるある、俺が効く。」 「・・・。」 やっぱりキャディさんの負けだった・・・。 2003.12.2 (はれ) 『カート道』 3人のお客様が立て続けにいいショットを連発した。 3人にはちょっと飛距離が追いつかないお客様はそれでも負けじとティショットをした。 いい当たりだった。 しかも、ボールはカット道に当たるとさらに前に飛んで行った。 「前払いしておいたもん。高速代。」 なるほど。(^_^;) |