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今日のお客さま。
1999年〜ゴルフ場で見たお客さまの珍プレー、好プレー、面白ギャグをキャディさんの実況中継でお届けしています。読むだけでルールやマナーも学べて一石二鳥。キャディさんからお客さまに云いたいことは「人の振り見て我が振り直せ」。今日は一体どんなドラマが展開されているのでしょうか。

【ご注意】いかなるゴルフ場とも一切のかかわりはありません。また、このお話はフィクションですがプレーヤーを非難・中傷するものではありません。

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2001.9.1(はれ)

『ミドル』
「ナイスパー!」
とキャディさんが云った。
「・・・バーディよ。」
「?」
キャディさんが首を傾げた。
「3オンでした・・・よね?」
「うん、1パットだから4でしょ。」
「はい、だからパーですけど。」
「???」
今度はお客さまが首を傾げた。
「なんで?ここミドルなの?」
まるでロングだと云わんばかりに。
「ミドルですけど。(笑)」
「・・・。」


2001.9.2(はれ)

『オン?』
「キャディさん、今日はショートホールで1オンしたらプレゼントがあるってことらしいけどさ。」
「はい。」
「さっきのハーフで俺のボールがカラーでね、もう1人もカラーでね、さっきのキャディさんがグ
リーンに乗ってないからってプレゼントの引換券をくれなかったんだよ。」
「はい。」
「乗っててもおかしくないようなとこだったんだぜ。」
「はい。」
キャディさんは笑うのを堪えながらお客さまの話を聞いた。
レストランでは1000円で生ビール飲み放題というのをやっていてジョッキ5杯も生ビールを飲んで
きているからもう、べろんべろんに酔っぱらっているのだ。
「さっきのキャディさんはまだ入ったばっかりの子でさ、融通が効かないんだよな。」
「じゃあ、今度のショートホールにちゃんとオンしたら2枚上げますから。」
「ほっ、ほんとかい?キャディさん?よーし、ちゃんと乗せるから見ててね。あ、目の前がくるくる
するよ。」


2001.9.4(あめ)

『栗』
「キャディさん、あの栗は何て栗?」
「えーっと、丹波栗だと思いますよ。すっごく大きな実がなりますから。」
「へえ、ハマグリかい。ん?キャディさんハマグリは海にあるんじゃないのかな?」
「・・・(-_-;) それくらいわたしも知ってます。丹波栗って云ったじゃないですかっ!」
「ああ、丹波栗ね。」
ったく、耳悪いなぁ。


2001.9.5(あめ)

『ボンネット』
「よくお客さんがさ、トランクと間違えてガソリンの給油口を開けちゃう人っているじゃない?」
「ああ、いるね。」
「でもさ、さっきのお客さんボンネット開けたんだよねー。(笑)初めて見たよ、ボンネット開けちゃう人!」
「まさかそこからキャディバックが出てきたとか云わないでしょうねぇ?」
「出てくるわけないでしょ!(爆)」


2001.9.7(はれ)

『ナイスパー』
3人目のパットが見事カップに入ると
「ナイスパー」
と同伴者が云った。
「オールパー?」
最後の1人がまだ終わっていない。
「あ、もう1人はボギー」
「お前等なぁ、これ入れてパーなんだよ俺は!勝手にボギーにすんなよっ」


2001.9.8(はれ)

『順番』
「キャディさーん、それ取って。」
「はーい。」
ティグランドにあるくじ引き用の棒を4本キャディさんが持つとお客さま達が順番に1本ずつ引いた。
全員が引き終わるとそれぞれに顔を見ながら云った。
「この前勝った順番だね。」


2001.9.9(はれ)

『二日酔い』
「ああ、昨日結婚式で二日酔い。具合悪ぅー。」
「俺も、葬式で二日酔いなんだよね、具合悪ぅー。」
キャディさんはカートを運転しながらくすっと笑った。
「俺は風邪気味で気分悪い。」
「じゃあ、俺は、生理痛。」
男だろーがっ!


2001.9.10(はれ)

『虫』
「うわっ、目にゴミが入った!」
お客さまがクラブを放り投げて目に手をやった。
「虫がっ」
と叫んで目をこすっている。
キャディさんが心配そうな顔をしてみていると同伴者がポケットからティを取り出すと
「これで出してやって。」
とティをキラッを輝かせた。
「うっ・・・ティで、ですか?」
キャディさんは一瞬ひるんだ。
「うん、喜ぶから。」
「!」
うなだれるキャディさんであった。


2001.9.11(はれ)

『蛍会』
「キャディさん、後ろの組は“蛍会”って云うんだよ。」
「ほたる、会?ですか?」
キャディさんは首をかしげて茶店のカウンターに並んで座っているお客さまを窓の外から覗き込んだ。
「・・・あら、ほんとだ。(笑)」
帽子を取った頭が4つ後ろ向きに見えた。
見事なほど綺麗につるっぱげである。
それがまた一列に4つ並んでいるのであった。


2001.9.12(はれ)

『ドロップ』
カート道の救済を受けるためにお客さまがボールをドロップしようとしていた。
まっすぐに立って、手を肩の高さに上げて腕をぴんとのばしている。
「よいっしょっ!っと。」
お客さまはなんとぴんと伸ばした腕を後ろにポイッと放り出したのだ。
「ああ〜!」
キャディさんはびっくりして叫んでしまった。
「な、なにしてるんですか?」
キャディさんが唖然としてお客さまに云った。
「何って、ドロップ。」
「・・・。」
ドロップって、あ〜あ、もう、キャディさんは初めて後ろに放り投げるドロップを見て言葉をなくしてしまった。(-_-;)


2001.9.13(はれ)

『バンカーならし』
「よいしょ、よいしょ、よいしょ、」
お客さまがバンカーショットをした後、バンカーをならしている。
バンカーをかくレイキを右手で持って前向きに走っている。
「よいしょ、よいしょ、」
「・・・。」
キャディさんはお客さまに一言云った。
「あの、、、、足跡が、、、」
「え?」
お客さまは後ろを振り返って仰天した。
「うわっ!足跡がいっぱい付いてるよ、キャディさん!」
・・・。付いてるもなにも、前方方向をならしてどうするねん。(^。^;)
そんな人、見たのも初めてのことよ!とキャディさんは心の中で呟いた。


2001.9.14(はれ)

『適齢期』
カートにお客さまを乗せて運転していると助手席のお客さまが云った、
「キャディさん、もういくつになる?」
「28ですけど。」
「うわ〜、もうそんなになるの。結婚はしてるの?」
「まだです。」
「もう、そろそろだね。」
「はい、でもまだ上がいますから!」
キャディさんは自分より年上の独身のキャディ仲間の姿を思い出しながら明るく答えた。
「でも、そういうのって順番じゃないんじゃない?」
すると後ろの席のお客さまがキャディさんの首筋にむかってこう云ったのだ。
なんですってっ!
キャディさんはハンドルを持ったまま後ろをキッと睨んだ。(▼▼)


2001.9.15(はれ)

『確定申告』
ひろーい、ひろーい、グリーンの一番端っこにお客さまのボールが2オンした。
ぱっと見て、30ヤードはある。
「えーっと、これは3パット確定申告ね。」
オリンピックのパターの順番を決めながらお客さまが云った。
キャディさんはピンを持って立っていたが近くに寄ればいいほうだろうと思ってまさか入るとは思っていなかった。
すると、
「・・・・入った!」
30ヤードを転がってきたボールがカップに入ってしまった。
打ったお客さまは「金のバーディー!」ともうお祭り騒ぎだった。


2001.9.16(はれ)

『運動会』
「キャディさん、今日は右に左に走り回ってやせると思うよ。」
スタート前にお客さまが覚悟しててね、と云ったのでキャディさんも同じくらい明るく言い返した。
「あ、これ以上やせなくていいです。」
「・・・。」
お客さまの目がそれじゃあ誰が走り回るの?と訴えていた。


2001.9.19(はれ)

『グリーン』
17番のショートホールでのこと。
お客さまは1オンしたものの、10メートルばかりの登りのパットが残った。
「うわー、重いね。こんなに重いのね、」
そう云った後、
「キャディさん、いつから高麗になったの?」
「????」
キャディさんは息が止まりそうになりながら「ベントです。」と云った。
「いや、こんなに重いのは高麗でしょ」
「・・・えっと、・・・・ベント、です。」
同伴のお客さま方もみな顔を見合わせて「社長、ベントですよ。」と小さい声で囁きあった。
「いーや、高麗だ。重いもん。」
それを云うなら登りだからだよ、お客さん!とキャディさんは思うのだった。


2001.9.19(はれ)

『SW』
「キャディさん、サンド!」
「はい。」
キャディさんはにっこり笑った。
だってさっきお客さまの手にサンドウェッジを持たせたばかりだったので、お客さまが自分の手に持っている
ことを忘れていると思ったからだ。
「キャディさん、サンド!」
「はい、サンドですね。」
キャディさんは頷いてにっこり笑った。
その手に持っているじゃないか。
「キャディさん、サンド!」
だから、さっき渡したじゃないのよ!とは云わずにキャディさんは微笑んだ。
「キャディさん、サンド!」
あーもう、さっきからうるさいわね、何回同じこと聞いてんのよ!
キャディさんはあまりのことにもしかして、このお客さまは自分の手にサンドウェッジを持っていることを本当
に忘れてしまったのでは!と思った。
「キャディさん、」
キャディさんはお客さまの左手に持っているクラブを持ち上げてソールの部分の「SW」という刻印をお客さま
に向かって見せた。
「うわっ、持ってた!」
・・・・。今頃気づくなっちゅうの!(-_-;)



2001.9.20(はれ)

『アプローチ』
ショートホールでカラーから絶妙なアプローチで
「O.K!」
をもらったお客さまは「よしっ!」と拳を高々と振り上げてガッツポーズをした。
ビリビリッッ
そのとき、どこかで何かが破れる音がした。
「うわっ!」
お客さまのズボンの右足が股の下から膝のあたりまで縫い目に沿って見事に裂けている。
「・・・ズボンが破けた」
知らんがな。(-_-;)


2001.9.21(はれ)

『1時間20分』
ハーフ1時間20分。
3人だからというのもあるけど。
3人のハンディは「0」(>アマチュア)、「2」、「8」。
スコアは34、37、38、

キャディさん、超・楽勝。



2001.9.22(はれ)

『祝・ホールインワン!』
「175ヤードです。」
キャディさんがショートホールの距離を計算して云った。
今日は朝から一日風が強いと天気予報で云っていたとおりで、しかもこのショートホールでは風はアゲンストだった。
「この風だと、180、いや190くらい打っていかないと届かないかもしれませんね。」
キャディさんのアドバイスにプレーヤーは皆番手を上げて打って行った。
1人、引っかけ。2人、届かず。3人目も引っかけた。
グリーンには誰もオンしていない。
「よーし、」
4人目のお客様がスプーンを持ってティアップした。
「あんた、スプーンじゃ届かんよ。ドライバーさ。」
天敵の悪魔の囁きが始まった。
さっきから「左はO.B.だから左に行かないようにね」と云われては左にO.B.して、「目の前は池よ、わかっとるね?
池に入れないようにね」と云われては池に入れ、今またドライバーでないと届かないよ、と屈辱的な言葉を云われて
いるところだった。
「ふんっ、その手は食わぬが浜のハマグリよ!」
お客さまの打ったボールはピシーッッ!といい音がしてボールはまっすぐ真ん中からグリーンに乗っていた。
「あ、届いたっ」
誰かが云った。やはりスプーンでは届かないと思っていたらしい。
「ナイスオンですね、」
キャディさんがにっこり笑った。
「うわ〜、まだ走りよるばい。」
4人とキャディさんはそろそろ止まってもいいボールがまだ転がり続けているのをいぶかしんだ。
「あれ〜、、、、もしかして・・・」
バシッ
とピンに当たったかと思った瞬間、ボールが消えた。
「・・・・入ったんじゃない?」
「・・・・入ったかも。」
「・・・・入ったばい。」
「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「入った〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!」
その場にいた全員が出せる限りの声を出して叫んでいる。
興奮さめやらぬ中、キャディさんはお客さまの飛んだティを拾い上げると差し出した。
「ありがとう!キャディさん!」
お客さまはキャディさんの差し出したティごとキャディさんの手を掴んで握手した。
キャディさんとお客さまを囲んで同伴者の3人が「ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!」と再び喜びを分かち合
った。

・・・

グリーンに向かうとみんなでカップを覗き込んだ。
「入っとるばい。」
1人がボールを取り出そうとするともう1人が慌てて止めた。
「こらっ!取るんじゃない。」
そう、ホールインワンした本人だけがカップからボールを取り出せる権利があるのだ。
ボールを取り出すとポケットからスコアカードを出して
「・・・えーっと、こういうのは“1”って書けばいいんだっけ。」
「おおー、“1”かぁー。いいねー。」
「俺は3も叩いたよ」
「俺は4も叩いた!」
みんなグリーンで笑っていた。

・・・

「ところで県議、(実はホールインワンしたのは佐賀県の県議会議員だった)さっそくだけど明日みんなを集めてお祝
いの準備をしようか?」
「いや、明日は駄目。“全国健康△○◇□○マラソン”っていうのがあってわしも走らんばいかんもん。」
「なんね、そがんと、走りよって転んで怪我でもしたらどがんすっとねっ」
キャディさんはくすくす笑っていた。
「じゃあ、1ヶ月くらいおいて来月末にホールインワンのコンペよ、いいね?」
「来月末はヨーロッパにいかんばもん。」
「なーんが、ヨーロッパね!あんたがヨーロッパっていう顔ね。飛行機に乗ったら落っちゃくっばい!」

「ところで、スコアばってん、県議、もうちょっと頑張ってもらわんとコンペのときに発表するけんね、100は切って
もらわんとみたんなかばい。60も叩きよる場合じゃなかよ。」
「はいはい。(笑)」

・・・

結果は101でした。

ホールインワン、本当におめでとうございます。(^^)



2001.9.24(はれ)

『福太郎さん』
「福太郎、おまえゴルフするのは何年振りか?」
ぶっきらぼうに連れてきたメンバーさまが云った。
「しばらくやってないですけど、それが何か?」
メンバーさまはキャディさんの方を振り返ると「キャディさん、そういうことだから宜しく頼む。」
「・・・はい。(^_^;)」

まずいよぉ。彼のキャディバックにはドライバーが3本も入っていて、そのうち2本はパーシモンで1本はメタル。
派手なラガーシャツを着ている彼の体型といえばゴルファーというよりはまるでラガーマンだ。
きっと振り回したら何処に行くかわかんないくらい飛ぶだろうなぁと見ただけでそう思わせる。

くじで1番を引いた福太郎さんはティアップするとアドレスに入った。
メンバーさまはそんな彼に後ろ向きでキャディバックからティやらボールやらをポケットに入れているところだった。
ぶんっ!
空を切る音がした。
見事な空振りだ。
1回転してもとの体制に戻っている福太郎さんとキャディさんは目があった。
「どうした福太郎、空振りか?」
振り向きもせずメンバーさまがそう云った。
「いえっ!素振りです。」福太郎さんは素早く答えた。
「そうか、早う打たんか。」
「はいっ」
気を取り直して福太郎さんはもう一度クラブを振り上げた。
びゅんっ! バシーッッッ!
「・・・。」
キャディさんは目が飛び出るかと思うほどびっくりした。
球はものすごい勢いですっ飛んで行った。
「福太郎、今日100切れたら給料上げてやる。」
「社長、本当ですか?」
「そのかわり100切れんかったら、1打増えるごとに1万ずつ給料減らす。」
「ええーっ!」
キャディさんは今日一日、すごく楽しいラウンドになるような予感がした。

3ホール終わって4番ティグランドに来たところで福太郎さんはポケットにボールの補充をしているところだった。
「えーと、何個入れておこうかなぁ、3ホールで3個足りなかったからなぁ。また3個入れておこう。(^^)」
キャディさんはそんな福太郎さんを見てくすくす笑っていた。
憎めない人だ。

ところで福太郎さんは体が大きいのでグリーンを歩くだけで靴の跡が付いてしまう。
スパイクのピンでくっきり穴が空いてしまうほどだった。
キャディさんが心なしか気になっているところにメンバーさまが福太郎さんにこう云った。
「福、おまえもしかして今どきピン付きのシューズ履いとるんか?」
「はい、これしか持ってないんです。」
「ふむ。福、おまえグリーン歩くな。」
「はぁっ?」
キャディさんは思わず吹き出してしまった。
グリーン歩くなって、云ってもね。
しかし、福太郎さんは自分のパットのとき以外グリーンには乗らないようにした。
グリーンを終わってカートに向かうときも、みんながグリーンを横切って歩いているときでさえも自分だけ遠回り
してグリーンの外を歩いた。

ハーフ終わるとメンバーさまは福太郎さんを連れてショップに行った。
シューズのピンを外して新しくスパイクレスシューズに付け替えるためだ。
キャディさんはとても嬉しかった。
普通、あんまりこういうお客さま達にはお目にかかれない。
コースの保護のこともあるけれど、マナーやエチケットをきちんと同伴者に教えてくださるお客さまはあまりいな
い。「次から気を付けろよ」程度で目に見える形ですぐに実行してくださるというのはキャディさんの目にはとて
も新鮮に映ったのだ。
メンバーさまも福太郎さんもとても素晴らしいゴルファーだと思った。


2001.9.25(はれ)

『支配人VSともちゃん』
「ねえねえ、この前ホールインワンしたときなんだけど!」
「うん、どうした?」
わたしはともちゃんの話しに耳を傾けた。
わたしのお客さまがホールインを出したのは2日前のこと。
最終ホールを終わるとちょうど支配人とともちゃんが練習グリーンにいた。
「支配人、大変なことになったよ」
わたしのお客さまが支配人の顔を見て云った。
「えっ、なんかありましたか?」
「県議がホールインワンしたからまたコンペせんといかん。」
実はこのお客さま達、ついこの間県議を囲むコンペというので65組の貸し切りコンペをやったばかりだった。
支配人の顔が一瞬のうちにほころんだ。
そして次の瞬間
「ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!いやー、おめでとうございますっ。」

ともちゃんが練習グリーンでボールを転がしていると支配人が近づいて来た。
「ともちゃん、練習?」
「・・・支配人、暇人?」
「うんん、考え事。」
とても何かを考えているような顔には見えなかったらしく
「何を考えているんですか?」
パターをする手を止めずにともちゃんが聞いた。
「あのね、どーやったらお客さんがいっぱい入ってくれるかなぁと思って。なんかいい考えないかなぁ。
ねえ、ともちゃんも一緒に考えてよ。」
「いやよ。それは支配人の仕事でしょ。」
「そんなこと云わないでさぁ、なんかないかなぁ、なんにもしないでお客さんがどんどん入って来る方法とか」
「そんなのあるわけないでしょ。」
ともちゃんはボールを見つめていた顔をあげると呆れて支配人を見た。
「ないかなぁ、やっぱり・・・・」

「支配人、大変なことになったよ」
と、そのときである。
ちょうど最終ホールを終えて上がって来たばかりの組のお客さまが支配人の顔を見つけて云ったのは。
「えっ、なんかありました?」
ともちゃんもパターをやめて支配人の側にやってきた。
「県議がホールインワンしたからまたコンペせんといかん。」
県議といえばついこの間、ゴルフ場を1日貸し切ってのコンペをやったばかり。
なんにもしないでお客さんがどんどん入って来る方法・・・・?!
ともちゃんは支配人の今しがたの呟きを思い出した。
そして支配人は次の瞬間「ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!いやー、おめでとうございますっ。」
お客さまと堅い握手を交わしている。

コンペが一つ舞い込んだ。


2001.9.26(はれ)

『支配人VSともちゃん・パート2・ニアピン勝負』
9番グリーンのボールマークを修理している支配人に
「支配人〜〜〜!危ないですよー」
練習していたともちゃんがクラブをかまえて立っていた。
「あ、ごめん、ごめん、」と云って一旦はグリーンを離れようとした支配人が何を思い立ったか戻ってきた。
「ともちゃーん、ここ、ここ、ここに打ってねー。直接グリーンに乗ったらオーバーするから、エッジに落としてー!」
グリーンエッジで支配人が指差して合図している。
「・・・。」
ともちゃんはキャディなのでそんなの云われなくても分かってるという顔をしてアプローチをした。
エッジに落とした球は転がってピンの横に付いた。
1パットと沈めると「パー」だった。
「ナイスパーじゃない。」
支配人はともちゃんが持って来たクラブを取り上げると素振りを始めた。
「支配人、やりたいんですか?」
「うん、人がやってるとやりたくなるんだよね。」
「・・・子供じゃないんですから。」
「うん、ともちゃん、ここからあの7番グリーンまでニアピンしない?」
9番グリーンから約180ヤードくらい打ち下ろしている隣の7番ホールのグリーンをともちゃんが見つめた。
「はあ。打つのはいいけどあんなとこまで誰がボール取りに行くんですか?」
「それは負けた方に決まってるじゃない。」
「いいですよ。」
初めに支配人が打つことになった。
ともちゃんの5番アイアンでグリーンを狙って、、、
「あっ、ちょっと大きかったかな。」
ボールはグリーンを少しオーバーした。
ともちゃんはそれを見てバフィで少し軽く打ってグリーンを狙った。
「ナイスオン!」
ボールは見事にグリーンを捉えることが出来た。
「えーっ、ちょっと、もう1回打たせてよ、もう1回!」
「いいですよ。」
打ち直した支配人の球は今度はピン横にピタっと付いた。
「うわー、近い、近い、僕の方が近くない?」
「はい、でもあれ2打目ですから。支配人、ボール拾っといてくださいね。」
「・・・はい。」
支配人は7番ホールのグリーンに向かって歩き出した。
「支配人〜!」
「はい?」
支配人が振り返った。
「ちゃんとボールマーク直しておいてくださいよー」
「・・・はい。」


2001.9.27(はれ)

『プロVSアマ』
スタートしてから2人はパーセーブを続けた。
初めにバーディーを取ったのはアマチュアの方だった。
しかし、次のホールではプロが入れ返した。
アマが云った。
「ついてくるねぇ。」
「・・・それはわたしの台詞です。」
とプロが云った。


2001.9.28(はれ)

『狙い』
「キャディさん、このホールの狙いは?」
「はい、左ドックレックで、右の山裾です。だいたい斜面から下りてきますから。」
「ああ、なるほどね。」
「O.B.は左右ともありませんけど、左のバンカーまで190ヤードで入りますので・・・」
「じゃあ、バンカー越えで行けばいいじゃない」
「越えたら隣のホールに落ちるかもしれません。バンカーまでは190ヤードですけど越えるのは230ヤードは
打ってもらわないと・・・」
「じゃあバンカー右でどお?」
「俺はバンカー狙いで行くぞっ!」
「左ドックかぁ、でも安全に右からだな。」
お客さまがそれぞれ好きなことを言い出したら切りがない。
「ねえ、キャディさんどこ打てばいいのよぉ」
ああー、もう!
「どこでもいいです。(^。^)」
「どこでもいい?」
「はい、どこでもいいです、O.B.もありませんから。はい。(^^)」
とっとと打たんかい!


2001.9.29(はれ)

『県体・決勝大会』

佐賀県の市、郡の予選会を通過した男女、各年代別の代表選手による県の体育大会の決勝が行われた。
チーム戦で行われるので各市、郡の総合スコアが競われることになる。

(スタート前)
ただならぬ雰囲気に包まれている。
各市、郡の代表選手達はチームウェアやチームキャップで対戦意欲をかき立てているようだ。
唐津市の選手はお揃いのシャツにお揃いの帽子をかぶっていた。
佐賀市は白い帽子に「SAGA city」とチーム名が入っている。
「ちょっと、その帽子いいじゃない、かぶりやすそうで。」
「そうかな?」
佐賀市の選手が帽子のつばに手を当てた。
「この帽子さぁ、ちくちくするよー。」
唐津市の帽子は「KARATSU」と正面に大きく描かれている編み目の入ったキャップだ。
「この帽子さぁ、ゲートボールのやつと一緒なんだもん。まさか使い回ししてんじゃないだろうなぁ。」
「ぶっっ!」
キャディさんと選手達は思わず吹き出したが、声を出さずに笑うのに苦労した。
だって、後ろには競技委員達がテントの中に入ってかしこまった態度で座って見ているからだ。
全く緊張感のない組に付いたものだ。(^_^;)

追伸:ぴりぴりしている大会の雰囲気に飲まれないように毎年選手に選ばれる人達は自分達で緊張をほぐ
す方法を知っているのだと思います。実際にプレーに入るとわたしの付いたプレーヤー達は目を見張るほ
ど上手な人達でさすが選ばれた選手達だと思わせるプレーを見せてくれました。

(西松浦郡)
3番ホールのショートに来ると
「練習ラウンドに来たときにここで仲間がホールインワンしてさぁ。」
と選手の1人が云った。
どのチームも帽子やシャツは揃えているけどこの人の場合は「西松浦郡(にしまつうらぐん)」と書かれ
たリボンをお尻にひらひらさせて安全ピンでとめていた。
「あの〜、西松浦郡の方はみんなそのリボンをひらひらさせてるんですか?」
とキャディさんが聞くと
「田舎だからさぁ、こうでもしないと目立たないやろ?」
「・・・はあ。」
目立つためかいな。(^。^;)

追伸:西松浦郡とは有田焼きで有名な有田町、西有田町のこと。


(武雄市)
ラウンドが終わった選手達や応援に来ている人達はスコアボードの前に集まっていた。
次々にラウンドを終えた組がカートで帰って来る。
ラウンドを終えたキャディさんたちも自分の市、郡の選手達やスコアが気になってボードの前に集まって来た。
スコアが良かった人も、悔いのある人もみんな頑張ってプレーをした結果だ。

「おっ、○○○ちゃん!俺も武雄市のために頑張ったけど・・・」
「先生っ!いくつだったんですか、スコア!?」
地元の高校の校長先生を退職した69歳以下の部に出場していた元学校の先生がわたしの顔を見つけて駆け寄っ
て来た。
「89・・・」
「はちじゅう〜きゅううっっ?なんでですか?何したんですかっ?」
「最後池に入れた。」
「池に入れたぁ〜っ?」
もう、どっちが先生で生徒かわからない。(笑)
しかも、かたやキャディでかたやメンバーだ。(^-^;
「俺だけ叩いてあとは(チームのみんなのこと)70台よ、はずかしかぁー!」
先生は続けた。
「でもね、池に入ったボールを水切りショットで出したんだよ!」
そういえば先生の眼鏡のレンズによく見たら水しぶきの後が残っている。
それを見たとき、なんだかとてもじーんと来た。
みんなそうやって、一人一人が自分に出来る精一杯のプレーをしたきたんだと思えたからだ。
「先生、お疲れさま!」
大丈夫!先生が駄目でも武雄は優勝できる!(爆)
だって、途中経過で今のところ総合1位なんだもん!

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