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2001.3.1(くもりのちあめ)
『打ち込み』
「何回もすみません。」
もう3度目だった。
後ろの組のお客様がまだ4ホール目だというのにもう3回も打ち込んで来た。
すると、キャディさんの隣にいたお客様が突然大きな声でこう云った。
「いやー、よう飛びますなー、いいことですよ、どんどん打ち込んでください。がっはっはっは」
大声で云うとがっはっはっはと笑い出した。
そんなこと云うとまた打ち込んで来ても知らないよ、とキャディさんは思った。
自分が当たったら笑ってる場合じゃないんだから。
2001.3.2(はれ)
『ガムテープ』
「げー!何これ」
「どうしたの?」
キャディさんは朝から「げー!」とか云ってる同じキャディの同僚の方を見た。
「げー!」
そして同じ反応をして顔を見合わせた。
キャディバックのフードの部分がガムテープでぐるぐる巻きにされているのだ。
このキャディバックを開けるにはガムテープをはがさなくてはならない。
それとも開けないようにガムテープでぐるぐる巻きにされているのだろうか?
一体どういう理由でこんなことをしているのか、最近のお客様は色々な人がいるものだ。
(>あんまりいないと思うけどね)
2001.3.3(はれ)
『いやらしい2』
バックティから行くお客様達はビシッ!バシッ!とティショットが決まる。
キャディさんは一人が打つごとにドライバーを預かる。
ん?これはこの前出たばかりの・・・
キャディさんがドライバーをじーっと見つめていると同伴者の一人が覗きこんだ。
「おっ、いやらしいクラブじゃないの。」
もう一人も続けて「あら、いらやしい2じゃないのー」
「???」
キャディさんは首を傾げた。
「あ!い(E)やら(R)し(C)いクラブ!いやらしい2!」
なーんだ、そういうことか。
2001.3.4(くもりのち雨プラスゆき&あられ&みぞれ)
『暴風雪警報!』
キャディさんの控え室はテレビがある。
と、そのときテレビ画面に「ニュース速報」がテロップで流れた。
「北九州地方、・・・ぼ、暴風雪警報?」
なんじゃそりゃ?
そして内線電話が鳴り、キャディさんに出番の連絡が入った。
ここは九州、昨日だってあんなにあったかかったのに今頃雪とはほんとかいな?
スタート直後のことだった。
くもり空が暗くなり怪しい雰囲気に包まれたそのとき、「ああ!」キャディさんは空を指さして叫んだ。
「こっちに来てますよ!」
目に見える風が押し寄せて来る。お客様達はフェアウェイに立ったままそのまま白い風に飲み込まれた。
「うわぁー!」
そう、それはまるで大きな高い津波に頭のてっぺんから飲み込まれてしまったような感覚。
「ぎゃー!」
風は一方方向からだけではなかった。横殴りになったかと思うと次の瞬間正面から叩き付ける。
「痛たー!」
暴風雪警報とはまさにこのことだ、キャディさんは身をもってニュース速報が正しかったことを知った。
白い風に見えるものの正体は「雨と雪とあられとみぞれ」が混じったものだった。
雨かと思えば小粒のあられが音を立てて顔面に吹き付けてくるのだ、たまったものじゃない。
「キャディさん、帰ろう!」
「こんなんじゃゴルフなんか出来ないよ!」
「わかりましたっ」
お客様は3ホール目が終了した時点で身の危険を感じてラウンドを放棄した。
2001.3.7(ゆきときどきはれ)
『呼び出し』
スタート時間になってもなかなかお客様がやってこない。
時間通りに来た3人はオナーよりも先にティショットを済ませることにした。
その間にキャディさんはスタート室にお客様を放送で呼び出してくれと頼むことにした。
「お客様のお呼び出しをします。◯◯様、◯◯様、OUTコース、ティグランドまでお回りくださいませ。」
・・・そう、アナウンスが流れるとたったったったっ、とお客様が走ってやってきた。
「みなさん、先に打たれましたよ。」
とキャディさんが云うと
「トイレにいたんだけど呼ばれたから途中でやめてきた!」
「・・・何をですか?(笑)」
キャディさんは笑いながらドライバーを渡した。
2001.3.9(ゆきときどきはれ)
『ティショット』
12番のロングホールにやって来た。
ティグランドから打ち下ろしのストレートなホールで正面の500ヤード先にかすかにグリーンが見える。
狙い目は220ヤード先のフェアウェイ左のバンカー。
右は大きなO.B.ゾーンがぽっかり口を開けて待っている。
キャリーで210ヤード飛べば、O.B.を越えて行くだろうがその先にはバンカーとさらにバンカーを越え
てもすり鉢のような深いグラスバンカーが待ちかまえている。全くゴルフコースというものはよくよく考
えて作られているものだと思う。もう少し、簡単に作ってくれればお客様も苦労しないのに、とキャディ
さんは思った。
「あっ!またあそこに入った、昨日と同じや。」
「・・・昨日も入ったんですか。」
「ああ、昨日もや。」
いつも同じところに打つ人って、いる。
2001.3.10(はれ)
『コースデビュー』
ドライバーと7番アイアン、そしてSWとパター。
まあ、それだけあればゴルフは出来るだろう。
というか、キャディバックにはそれだけしか入っていないのだからそれでゴルフをしてもらわなくては
ならない。
同伴者がスタート前に云った。
「ドライバー打ったら、2,3本持って走るんだよ!」と。
キャディさんとそう云われたお客様は顔を見合わせてこう言い返した。
「2,3本もなにも2本しかないんですけど」って。(笑)
2001.3.11(はれ)
『携帯電話』
しーんと静まり返ったティグランドでオナーがアドレスに入った瞬間、カートから携帯電話のメロディ
が鳴り出した。
慌てて一人が走り出して、「もしもし?」と大声で話しだした。
本人は小さな声で喋っているつもりのようだがその声は普段の声よりも大きいくらいだった。
キャディさんはお客様に向かって「しーっ!」と口に人差し指をあてて静かにするように促した。
「ばーちゃん?今どこにいるの?」
聞きたくなくても声が聞こえてくる。
「牛小屋?」
ティグランドに残された人々は顔を見合わせた。
「うしごや?」
全員で吹き出してしまって、ティショットどころではなくなってしまった。
2001.3.13(はれ)
『茶店』
茶店から出てきたお客様はキャディさんにこう云った。
「キャディさん、茶店のおばちゃんが駄目って云うんだよ。」
「はい。お気持ちだけでいいですよ。」
お客様はキャディさんにジュースかビールの1本でも、と思って茶店に入るとおばちゃんにそう申し出るのだが
ゴルフ場側でお断りしている。
単にお客様に余計な気を遣わせないためか、近辺のゴルフ場よりもプレー代が高い上にキャディにまでチップを
払わせるのを好ましく思わないのか、そのへんのゴルフ場の考え方まではキャディさんはわからない。
「それにねキャディさん、薔薇の花束って云ったら「ない」って云われたんだよ。」
「・・・。」
キャディさんはぷっと吹き出してしまった。
そしてドライバーを受け取ると
「打ち込め、青春!」
そう云って自分に気合いを入れている。
面白い人だなぁ、とキャディさんは思った。
2001.3.14(はれ)
『パット』
グリーンが長い、とキャディさんは思った。
一人あたりのパットの平均が4打くらい。
3回で済めばいいほうだ。
朝から強めに打ってくるお客様がいた。
「切れないじゃない。」と云うのでキャディさんは「そんなに強く打ったら切れるものも切れないさ」と心の中
で思っていた。
が、すごい上りのラインで距離も20ヤードくらいあるので「重いですよー、強めに打ってくださいねー」とお
客様にアドバイスしてピンを持っていると「ぱっかーん!」とボールが跳ね上げるくらい強く打ってきてあっと
いう間にピンを通りこして行ってしまった。
キャディさんはため息まじりに「・・・限度ってもんがあるんですけどね。」と呟いた。
2001.3.15(はれ)
『フラダンス』
「それにしてもあんた、変な振り方するねー」
お客様は同伴者のお客様にそう云った。
「・・・よけいなお世話だよ、ほっといて!」
云われたお客様はそう云い返した。
たしかに綺麗なスゥイングとはいえないかもしれない。
打った拍子に毎回後ろに飛び跳ねてるのだから。。。
「フラダンスしてるみたいなスゥイングしてんだもの、レッスン行ってるんでしょ?」
「・・・あれはレッスンに行ってるんじゃないの!「会話」しに行ってるの!」
キャディさんはそんなやりとりを聞いていてクスっと笑った。
いるもんねー、練習場で球は打たずにおしゃべりばっかりしてる人達。
2001.3.16(はれ)
『入れ歯』
食事をすませて後半、ティグランドにやってきたお客様が突然キャディさんに向かって口を開けた。
「ここんとこ、歯が動いてない?」
「・・・はぁ。」
キャディさんは口の中を覗き込んだ。
「最近、具合が悪くてねぇ、入れ歯の。」
「・・・。」
キャディさんは肩の力が抜けていくような気分を味わった。
「あんた、最近どうね?入れ歯のほうは。」
お客様は長身でスマートでダンディな同伴者の方にそう云った。
え!?このお客様も入れ歯だったのーっ!?
キャディさんは人はみかけによらないもんだと思った。(^_^;)
2001.3.17(くもりときどきあめ)
『フォーク』
朝方に強い雨が降り、止んではいるけど霧雨状態。
グリーンは水分を含んでやわらかくなっている。
当然、いつもよりもボールマークが付きやすい。
キャディさんはピンを中心に広いグリーンの4方向に見事に打ちわけられたボールを順番に拭いて
はそのつどパターを渡していく。
「おねーさん、ここ、穴が空いてるんだけど。」
「えっ?」
おねーさん、と呼ばれてそれが自分のことだと気づくとキャディさんはお客様の云う「穴」を見に
行った。
「ああ、修理してもらっていいですよ。」
とキャディさんは云うと足早にその場を立ち去った。
なにしろグリーンが広すぎてボールを拭いてパターを渡して、キャディさんは少しでも立ち止まっ
てる暇はないのだ。一番遠くのプレーヤーは早く打ちたそうにして待っているのだからピンも抜か
なくていけない。
「でも、こういうのはおねーさんが直してくれるものじゃないの?」
お客様は40代の女性で今日はご主人と一緒にご来場。
「・・・フォークはお持ちじゃありませんか?」
「フォークってなあに?」
「・・・・。」
キャディさん、絶句。
「グリーンフォークくらい自分のポケットに入れてなさい。自分のラインのディボットも自分で直
さないと!」
ご主人様が見かねて注意すると
「えーっ!?これってキャディさんが直してくれるものじゃなかったのー?自分で直すものなのー?
知らなかったー!」
って、・・・もう、キャディさん言葉がない。
2001.3.22(はれ)
『推理』
スタート前、、、
「ゆみちゃん、ちょっとこれ見てくれる?」
キャディさんは隣でカートにお客様のバックを積んでいる同僚に声をかけた。
「あらー、多分それってしばらくゴルフやってないね。」
「わたしもそう思う。」
毎日お客様のキャディバックを開けてクラブを見てると見ただけで何かを感じ取るのがキャディさんだ。
「わたしねー、この、クラブがバラバラに入ってるのが一番嫌い。」
キャディさんはスタートする前、お客様と顔を合わせる前から気分が落ち込んで来た。
「おまけに泥がべったり付いてたりすんのよねー」
ゆみちゃんは冗談で云ったつもりだったけど、実際泥がべったりクラブが出てきた。
キャディさん2人は顔を見合わせた。
つまりこれは、しばらくゴルフをやってない上にグラブを洗ってくれないゴルフ場に行ってそのまんま
にしてたってこと。
もっと、もっと、かいつまんで推測すると、今日のお客様はクラブをバラバラのぐちゃぐちゃにキャデ
ィバックに入れているところからして多分、あんまりゴルフは上手くなくて、おまけにしばらくゴルフ
に行ってなくて、しかもキャディのいないゴルフ場によく行くお客様、というキャディさんの見解だ。
と、遠くからお客様たちがやってくる声が聞こえてきた。
「いい天気だなー!今日は久し振りにキャンディキャンディちゃんと一緒だろ?緊張するなー!」
「・・・。」
間違いない、あれがわたしのお客様だわ。
2001.3.21(はれ)
『4番』
12番のロングホールは右にO.B.されることが多い。
そういうときはローカルルールでプレイング4で特設ティからプレーしてもらう。
「グリーンエッジまで270ヤードくらいあるんですけど、どうしましょう?」
キャディさんはお客様にクラブを選択してもらわなくてはならない。
「ティアップしていい?」
と聞かれてキャディさんは頷くとドライバーを手渡した。
パーンっ!・・・いい音だったけどまた右にO.B.
パーンっ!・・・2回目も同じところにO.B.
3回目あたりになるとボールがないかクラブを変えるかどっちかなんだけど、キャディさんはどちら
にも対処出来るようにカートの側に走り寄った。
ポケットに手を突っ込むお客様に「ボールありますかー!」と大きな声で聞くとお客様は頷いた。
「キャディさーん、ごめん、クラブ変える!4番持ってきてー!」
「はーい。」
返事と同時にキャディさんはクラブの方を振り返る。
「!」
キャディさんは一呼吸おくと「どの4番ですかー!」少し笑いながら云い返した。
「えーっとね、(笑)ちょっと黒っぽい4番持って来てー」
「ウッドでいいんですよね?」
キャディさんは確認すると3本の4番ウッドの中から一番黒っぽいバフィを掴むと走って行った。
なんで3本も入ってんだろ。アイアンも入れると4番4本もあるんだよ。
2001.3.24(はれ)
『シャンク』
「キャディさん、この人危ないから、どこに打つかわかんないから、離れて離れて!」
キャディさんはニコニコ笑いながら頷いた。
カートを止めるとアドレスに入るプレーヤーに気を付けて静かに待った。
「わーっ!!」
「ほら、危ないって云ったじゃない。」
クラブが振り下ろされた瞬間、ボールは前に飛ばずに真横に飛んできたのだ。
しかも距離にして15ヤードくらい。(^。^;)
カートの側面にがーんっと大きな音を立てて激突した。
「えっと、2ペナですね。」
「えっ?」
「カートに当たったら2ペナなんですよ」
「・・・そうなんだ。」
2001.3.25(くもりときどきあめ)
『目』
「キャディさん、これは下りよね?」
4ホール目のグリーンだった。
「上りです。」
打てば響くような早い返事だった。
「・・・おっかしいなぁ、俺の目がおかしいんだろうか?」
全くだ、スタートしてから上りと下りがキャディさんと全部逆なのだ。
「なんでかなぁ、俺の目、絶対おかしいよ、ねえ、そう思わない?」
お客様は肩をすくめて同伴者を振り返った。
「ああ、年も取れば目もおかしくなるだろうよ。」
ごもっとも。(笑)
2001.3.27(はれ)
『時差ぼけ』
お客様は4人とも70歳を越えるお年寄りだった。
そしてその中のお客様の1人が
「実はね、昨日北欧から帰ってきたばかりなんだ。」
「ほ、ほくおう?」
キャディさんは東北かなんかの間違いと思って聞き直した。
「北欧、フィンランド!」
「フィンランド・・・ってフィンランド、ですか?」
「そう、昨日成田に着いてそのまま福岡空港に行くでしょ、そして今朝ここへ来たんだ。」
「・・・。」
なんて元気な爺さんだ。
「じゃあ、あの、時差ぼけとかは大丈夫なんですか?」
「そうなんじゃよ、それがのう、困ったもんでの」
そう云いながらも18ホールを元気いっぱいプレーして、キャディさんが「お忘れもののないようにご注意ください」
と最後に言葉をかけるとお客様が何か捜し物をしている様子。
「何かお捜しですか?」
「チョッキがないんじゃよ、チョッキが。」
「チョッキ、ですか?」
「朝着とったんじゃがの」
「はあ、」
キャディさんはカートのかごを見回したがそれらしいものは見あたらない。
・・・そして、お客様を見てはっとした。
「もしかして、その着てらっしゃるベストのことですか?」
「ん?」
お客様は自分の体に手を当てた。
「ああ、これこれ、なーんじゃ着とったんか、全く時差ぼけでの。」
ずるっ!
ほんとに時差ぼけかいな、マジでぼけとんじゃないんかい!?と思うキャディさんだった。(-_-;)
2001.3.28(あめのちはれ)
『人のものも自分のもの』
お客様は二組のご夫婦でいらしていた。
ご主人のバックにはドライバー、スプーン、7番ウッドが入っていて、奥様のバックにはドライバー、バフィー、
クリーク、9番ウッドが入っていた。
ウッドは全部キャロウェイのフォークアイで70歳を越えるご夫婦なのにハイカラなもんが入ってなぁとキャディ
さんは思っていた。
もう一組のご夫婦はご主人はドライバー、スプーンを入れていたが奥様はドライバー、スプーン、7番ウッド、9
番ウッドとこちらもキャロウェイのフォークアイで揃えられていた。
そして、ラウンドが始めると大変なことになった。
「キャディさん、9番ウッド取って」
「はーい」
・・・ご主人のバックには9番ウッドは入っていないはずなのに。
「隣のバックに入ってるから」
「・・・。」
さらにもう一組のご主人が7番ウッドで打つと云ってクラブを取りに来た、もちろん、奥様のバックの中の7番ウ
ッドを持っていくつもりだったが間違えて違う奥様の7番ウッドを持って行ったら、持って行かれたた奥様は自分
のバックにあった7番ウッドがないといって探しまくって、ないならこれを持っていくともう1人の奥様のバック
から7番ウッドを持って行った。
ラウンドの間中、キャロウェイのウッドは自分のものも人のものも関係なく使いたい人が使いたいクラブを持って
いて使われまくった。
そしてしまうときには皆、自分のバックに放り込むのだ。(^_^;)
キャディさんはひたすら正当な持ち主のバックにクラブを入れ替えていた。
2001.3.29(あめのちくもり)
『キャディさん、お客さん役をする』
新入社員のキャディさんが4名やってきた。
ゴルフのことは右も左もわからない。
そんな彼女らを一人前のキャディにすべくキャディ研修は始まった。
本当のお客さんに付けるわけにはいかないので彼女等の相手は社内のものがお客さん役でプレーをして、教育係の
キャディさんが別に付いてきて指導をする。
そして本日、いつもはキャディのわたしはお客さん役でプレーをすることになった。
グリーンの近くにやってきた。
「いくつだったっけ?」
アプローチの距離を目測しながらわたしは新人キャディに聞いた。
「18歳です。」
彼女はそう答えた。
教育係のキャディのみきちゃんはのけぞって笑った。
あのね、確かにわたしと10も年が違うのは知ってるけどそんなことをここで聞いてどうすんのよ!(-_-;)
「年じゃなくて、エッジからピンまでのピンポジションを聞かれてるのよ。」
みきちゃんは息も絶え絶えに新人キャディに説明をした。
みきちゃんはわたしより2つ年下だ。
「押さえて、押さえて。」
とまだ笑いをこらえながらわたしを制してくれた。
次のホールに行くとわたしはティショットを右にO.B.してしまった。
お客さん役でプレーしてるとはいえ、O.B.を打てばがっくりくるものだ。
きっと本当のお客様もこんな気持ちなのだろう。
がっくりとしたところを見せておいて、「・・・やっぱ、研修だからさ、O.B.も打っておかないとね。」
わたしはそうそうに立ち直った。
「すみません、わざわざO.B.打ってもらって(笑)、こういうときは”暫定球”を打ってもらうようにね。」
みきちゃんの指導は続いた。(^_^;)
同じくお客さん役で一緒にプレーをしていた営業のいたるくんは、いつもスライスするティショットがこの日
はまっすぐまっすぐでO.B.をしたわたしははっきり云って面白くなかった。(-_^:)
「いたるくーん、ここ、”プレイング4”あるから、わかってるよね。」
次のティグランドにやってきたところでわたしは彼にプレッシャーをかけた。
「え?」
首をかしげた後、ティショットをしたいたるくんは見事にわたしの期待に応えてくれた。
「こういうときはね、前に特設ティがあるから打ち直しじゃなくて前からプレイング4で打ってもうこと。」
みきちゃんの指導は続いた。
ショートホールでは「風は?」と聞くと「北風です。」と応える新人キャディ・・・・(◎-◎;)
過去にはグリーンで「目は?」と聞くと「いいほうです。」と応える新人キャディもいた。
彼女らがちゃんとしたキャディに育つまでにはもう少し時間がかかりそうだ。
いいキャディさんに育ってねとわたしは心から思うのだった。
2001.3.30(くもり)
『くしゃみ』
ゆきちゃんはかなりすっとぼけたキャディさんだ。
彼女は最近花粉症でコースに出るとくしゃみが良く出るらしい。
「ショートでね、ティショットのときにくしゃみがしたくなってね。」
「もちろん、我慢したんでしょう?」
「ふふふふふ。」
ゆきちゃんは不気味な笑いをした。
イヤな予感がした。
「ちょーど、打つときにくしゃみしてん、面白かとけー!」(>調度、打つときにくしゃみしてみて、面白いのにー!)
「・・・やったの?」
「うん、したよ。ずれるもんね。その後、谷に落ちた。」
「・・・・。」
なんちゅうキャディだ。(-_-;)
可愛そうにお客様は調度ティショットをするときに我慢できずにくしゃみをしたキャディさんの声でタイミングがずれて、
谷越えのショートホールだったものだから、球は谷へ落ちて行ったと云うのだ。
2001.3.31(はれ)
『きつい』
神戸からいらしたお客様は風邪を引いていた。
グリーンでパターを打つ度に「きっついなー」と云う。
毎ホール「きついなぁ。」と云うのでキャディさんは風邪で体がきついのかなぁと思って
「大丈夫ですか?きついんですか?」
と声をかけた。
するとお客様は「そうなんや、俺のパターがきついみたいでなぁ、入らんのや」
「???」
キャディさんはお客様の云っている意味がちんぷんかんぷんで何を云っているのかわからなくなった。
「ああ、もしかして、きついって云うのは強いってことですか?」
キャディさんがやっと意味を理解して云った。
「そうや、嫁はんもきついって云うやろ?」
とお客様は笑いながら云った。
同伴者の中に一人だけ佐賀のお客様がいた。
「佐賀ではきついっていうのは疲れたって意味で使うんですよね」
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