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ゴルフダイジェスト・オンラインであなたのスコアを簡単管理。GDOハンディ・キャップを取得できます。


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今日のお客さま。
1999年〜ゴルフ場で見たお客さまの珍プレー、好プレー、面白ギャグをキャディさんの実況中継でお届けしています。読むだけでルールやマナーも学べて一石二鳥。キャディさんからお客さまに云いたいことは「人の振り見て我が振り直せ」。今日は一体どんなドラマが展開されているのでしょうか。

【ご注意】いかなるゴルフ場とも一切のかかわりはありません。また、このお話はフィクションですがプレーヤーを非難・中傷するものではありません。

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2000.11.1(あめ)

『コース説明1』
左のバンカーまでは220ヤード。右はカート道からはO.B.。狙い目は左バンカーの横(右)くらい
がいい。キャディさんは次のホールに来ると簡単にコースの説明をした。
お客様はキャディさんの云うことに忠実なのか右のO.B.が怖いだけなのか左のバンカー方向にティ
ショットを打っていく。
最後のお客様はバンカーよりも左に打ってしまってバンカーを飛び越えてO.B.になってしまった。
「えーっ!O.B.なのー!もう、キャディさん、僕コース良く知らないんだからちゃんと説明してく
れないと駄目だよぉ。」
これは寝耳に水だ。キャディさんはちゃんと始めに説明をしたのだから。
しかしキャディさんはにこっと笑ってこう言い返した。
「あら、説明中お電話してらっしゃいましたものね。」
キャディさんがコース説明をしている間、1人だけカートに乗ってずっと携帯電話をしていたお客
様がいた。そして自分の番のなって慌ててティショットをしてO.B.してから文句を云われても。
「あ、そうだ。ごめん。」
お客様は思い出してキャディさんに謝った。


2000.11.3(はれ)

『コース説明2』
スタートホールは広々としたロングホールで左のバンカーまでは200ヤードあるけれど右から狙
って行けば問題ない。
「キャディさん、これどこに打つの?」
お客様は初めてこのコースに来たという。
「前。」
キャディさんが答える前に同伴者がぼそっと云った。
「後ろには打つなよー。」
もう1人の同伴者が補足した。
「・・・おまえらな!」
キャディさんもつい頷いてしまいたくなるような適切な答えだと思った。
前に打ってくれればいいよ、後ろに打たれたら困るもんね。
そんなキャディさんの心中だった。


2000.11.4(はれ)

『イヤな予感』
イヤな予感がしたのはキャディバックのフードを開けたときからだった。
4つのキャディバックの中身はいずれもウッドもアイアンも順番もなにもあったものではなかっ
た。キャディバックの中で散乱していて整理整頓から始めなくてはいけなかった。きちんと整理
しないとクラブ確認もまともに出来ないありさまなのだ。
「なんかわたし、ヤバイかも。」
スタートする前に同僚にこう言い残してキャディさんはスタートホールに向かった。
イヤな予感は増すばかりだった。クラブ確認をすると自分のクラブが全部で何本なのかをお客様
たちは把握していなくてどれが自分のパターなのかもよくわかっていない方もいた。
更にエチケット月間であることを告げグリーンフォークをお持ちでない方はお使い下さいと差し
出したグリーンフォークを「これは何をする物ぞ?」という目つきでポケットにしまうあたり、
「わかってんのかなぁ。」と一層キャディさんを不安にさせた。
不安が募る中、ティショットは一人目がチョロ、そして2人目のお客様はあろうことかコースと
は真反対の駐車場に向かって打ってしまったのだ。
「・・・。」
駐車場にはもちろん本日ご来場のお客様方の車が駐車されているわけで。
キャディさんは身の縮む思いで球探しに向かった。球は幸いにも駐車場の手前の花壇の中に入り
込んでいたところを見つけた。
「あー、疲れた。」
お客様の1人がカートに乗ると呟いた。キャディさんもとっくにそれ以上に目眩すら感じていた
のだがお客様の手前「まあ、まだ一打しか打ってないじゃないですか!これからですよー」と知
らず知らずのうちに口走っていた。
ショットはともかくパットは人並みだろう、とほんの少し期待を寄せていたキャディさんはグリ
ーンに来ると自分の考えが甘かったことを再認識させられた。
ノーカンパットにも限度というものがあるだろう。4人が4人とも5パット以上なのだからスラ
イスやフックを云っても下りや上りを云ってももはや無駄だと云うことがわかった。わかったけ
れどそれ以後もキャディさんは上りや下りを言い続け、ラインを読み続けた。そして1ホール目
のグリーンでキャディさんはある決断をした。後ろの組を先に行かせよう!
後続組のお客様は3人でグリーンが終わるのを待ちわびていたのだ。
「お先!あ、でも後ろも3バックだけど。」
抜きがけに後ろのキャディが教えてくれた。
決断その2、2ホール目のミドルが終わったら次のショートでまたパスしよう。
だって、どう考えたって普通の進行でプレー出来る状態ではないのだから。
「この前福岡のゴルフ場に行ったんですけどおばちゃんのキャディさんで、ゴルフ場に来るの10
年早いって怒られたんですよ。」
先にやった組のティショットを待っている間にお客様の1人がそうキャディさんに云ってきた。
「まあ。」
わたしもそう思います、なんて思っててもキャディさんは口にはしなかった。まだたった1ホー
ルしか終わっていないのだ。諦めるのはまだ早い。なんとかなるかも知れない、とキャディさん
なりに思ったからだ。
そして2ホール目のグリーンでキャディさんはある提案をした。
「O.K.って、ないんでしょうか?」お客様の顔をそれぞれ見回した。
「そ、そだね、O.K.しようか?ね?」
キャディさんとしてはお客様のプレーにはよっぽどのことがない限り口出しはしない。しかし、
今日はそれが許されると思った。(そうでも云わないといつまでだってもグリーンが終わらない
し・・・)
それにいつまでたってもグリーンにオンしないお客様を先にオンしたお客様がぽけーと待ってた
りするのを見てキャディさんは「あの〜、このディボット直しますけどいいですか?」と声をか
けては”これは貴方のボールマークでさっきのフォークはこうやって使うんでんすよ”というの
を一度見せるとその後は自分でやるものなんだ、と思って次のホールからは自分でやってくれた
りする。
キャディのサービスも大事なことだとは思うがマナーやエチケットを知らないお客様には必要最
低限のゴルファーのマナーは自分で守ってやってもらう。マナーを知らないのであればそれを教
えることもキャディの仕事だと思う。
とにもかくにもお客様はお金を払ってゴルフに来てるのだから!キャディさんは自分自身にそう
言い聞かせて出来るだけのことはしようと思った結果、なんと2組抜かせて茶店にも寄って上が
ってみれば調度2時間ではないか!時間なんかまるっきり気にする余裕もなかったのに、そもそ
も時間だけは諦めていたのにキャディさんはちょっと嬉しかった。(やっぱり仕事的には2時間
が基本だし・・・。)


2000.11.5(はれ)

『あんこもち』
「ああ、今日のお客さんはあんまりネタがなかったなぁ。」
キャディさんはラウンドが終わると休憩室でお茶を一口飲んだ。
すると困ったときのネタの提供者が調度ラウンドが終わって帰ってきた。
「さつきちゃ〜ん、今日のお客さんどうだった?」
「え?・・・そうですねぇ、ああ、わたしのこと”あんこもち”に似てるって云うんですけど似
てますか?」
くっくっくっくっと周りにいた2、3人のキャディさんが笑い出した。
「あんこもち、ってただの”餅”じゃいけなかったのかしら?」
「あんこが入ってる方が美味しそうじゃないですか。」
「うーん、しかしそれじゃあ、今日のお客さんじゃなくて今日のキャディさんになっちゃうよ。」
「今日のキャディさんは”あんこもち”のようにピチピチしてた・・・とか書きようはいくらで
もあるじゃないですか。」
「・・・そんなのヤダー、格好わるー。」
と云いながら書いてしまった。


2000.11.6(はれ)

『チャリティー』
2ホール目はショートホールで、グリーンに1オンしなければ寄付金を納めることになっていた。
「まあ、乗るに決まっているいけど入れてやるよ。」
そのお客様は少し照れながらもチャリティーBOXにお札を滑りこませた。
実はこのお客様、60歳をとっくに過ぎていて普段は自分のことを「じーちゃん」呼ばわりしてい
るのだがオフィシャルハンディは「8」でれっきとしたシングルである。
170ヤードの距離も6番アイアンでピシッと打ってナイスオン!すると、くるっと後ろを振り返っ
てチャリティBOXを抱えている係りの女の子に向かって
「返して。」
と云うではないか!(笑)
困った「じーちゃん」だ。


2000.11.8(はれ)

『カナコ』
スタートする前に友達同士であってもボールの確認をして自分はどのボールを使っていて、番号は
何番で、なんていう会話のやりとりがある。誤球を防ぐ為にも初めの確認は大切だ。
「えーっと、”カナコ”で行きます。」
「・・・はあ?」
キャディさんは首をかしげた。
「カナコですか?」
「今日はカナコ3人、ジュンコ3人、ショウコ3人とお父さんとお母さんを連れて来てます。」
「・・・はあ。」
キャディさんがティアップされたボールをのぞき込むとマジックで「カナコ」と書いてあった。
「カナコは長女なんです。」
お客様は云った。
魔の8番ホールはもう随分前にプレイング4が設置されたがバックティからなのに前から、という
わけにはいかないだろ。
「暫定球は”ジュンコ”です。」
同伴者がそれを聞いて笑った。
しかし、ジュンコもO.B.になってしまい末の「ショウコ」が登場することになった。
ショウコをティアップしているときに「お父さんはなんて名前なの?」と同伴者が聞いた。
「打つ前から変なこと云うなよ!」
そして「ショウコ」もO.B.すると「お父さんの名前、”ため吉”とかじゃない?」と再び同伴者が
聞いた。
「違うよ!”わか丸”って云うんだよ。」
「・・・わか丸?」
いたって真面目な本人以外が全員大笑いしたがキャディさんだけは「誰でもいいから早く打ってく
れー」と打ち直し4回目のショットを待っていた。待っているのはキャディさんだけではなく、後
続組もホールアウトしてティグランドでティショットが終わるのを待っているのだ。
バックティからラウンドするときはそれなりにやってもらわなくては非常に困る。


2000.11.9(はれ)

『プロ?』
キャディバックを積むときはお客様のキャディバックに付いている名前の書かれたプレートを見て
名前の確認をする。会員権をお持ちの方は自分の所属するゴルフ場のプレートに名前が書かれてあ
りどこのメンバーなのかプレートを見るとすぐにわかるようになっている。もちろん、2つも3つ
も会員権を持っている場合は2つも3つもキャディバックに各ゴルフ場のプレートが下がっている。

さて、名前は・・・あった、あった、このお客様だ。しかし、なんちゅう重いバックなんだ!一体
何が入っているの?重すぎるー!なになに?(社)日本プロゴルフ協会・・・。
「・・・ちょっとぉ、これもしかして、プロ?」
キャディさんはスタート室に向かって振り返った。
「え?ああ、ああ〜ほんとだ。ハンディ「0」って書いてあります。」
ちょっと見せてご覧、と前もってFAXで送られてきている組み合わせ表によるとこの2組コンペは
2組目にハンディ「0」が2人いる。
「ハンディ「0」ってやっぱ、プロなんちゃう?」
でも”(社)日本・・・”ってやつは1人のバックにしか付いてなかった。まあどっちにしてもハ
ンディ「0」なんて、すっごく上手に決まってる。もちろんバックティからまわることが告げられ、
キャディさん2人はバックティのお客様を連れてラウンドするときには青いスカーフを巻く決まり
になっているので(このゴルフ場での決まり)制服の上からスカーフを付けて準備をした。
1組目は3バックだった。
「バックティの3バックだったら、前もいないことだし1時間半くらいで上がってしまうんじゃな
い?わたしのところ、ハンディ「0」が2人いるけど1人女性もいるし、ラインもゆっくり読みた
いだろうし、あんまり早く行かないでよ!」
キャディさんは前の組のキャディにスタート前にそう促した。
ところがどっこい、スタートするととんでもないコンペだった。
な、なんと、前の組は3人しかいないのに茶店までたどり付くのに1時間半もかかったのだ。当然、
後ろから付いて行ってるのだから後ろの組も1時間半かかった。付いて行ってる、というわけでも
ない。キャディさんは、必死に付いて行った。
上がってみれば2時間25分。
このコンペがトップスタートなので前は誰もいないのに、2時間25分!しかもバックティ!
7分置きに入ってる予約の組はこの2組のおかげでどん詰まりもいいところだ。
おまけに”(社)日本・・・”のお方といえば、最初と最後の2ホールしかパーがない。あとの7
ホールがバーディーとイーグルというわけではない。
これは一体どういうこっちゃ?


2000.11.10(はれ)

『コンペ』
「では、ノータッチがいいか6インチがいいか多数決を取りまーす!」
幹事さんは参加者に向かって大きな声で云った。
「ノータッチがいい人ー!」
14人中、2、3人が手を挙げた。
「6インチがいい人ー!」と云うと皆いっせいに手を挙げて「では6インチに決定です!」と幹事
さんが云ったのにノータッチに手を挙げた方が「キャディさん、ローカルルールは?」という問い
に1組目のキャディさんがノータッチであることを告げると「じゃあ、ノータッチです!」
「・・・。」
ということになって6インチ派の方々は民主主義の決定が覆されてしまって目が点になってしまっ
た。しかし、そこは皆気の合う仲間同士ということもあり「ノータッチなんて年に1回あるかない
かだから今日はノータッチでやってみようよ!」とスタート前の興奮にかき消されてしまった。
1組目は3バックで飛ばし屋軍団というふれ込み通りスタートホールからかっ飛ばして行ってしま
った。文字通り、行ってしまったのである・・・・。

2組目は4バックでオナーはドライバーで真横にティショットした。キャディさんの運動神経がも
う少し鈍ければゴルフボールはみぞおち辺りに食い込んでいるところだった。
「危なかったなぁ、なんか今日は命がけかな。」キャディさんは頭の中で呟いた。2人はチョロ、
3人目はナイスショット、4人目はティグランドの横の植え込みの中に打ち込んでしまって先ほど
の決議による「ノータッチ」では到底打てそうになかった為、キャディさんはアンプレヤブル宣言
をしてティショットを打ち直すことを勧めた。(後方は植え込み、2クラブではカート道だったの
でティグランドからわずか20ヤードしか離れていないのでティショットの打ち直しが一番いいと
思った。)
そして1ペナを加えて打ったショットはあろうことかチョロしてO.B.になり、その打ち直しはキャ
ディさんと同伴者の方に向かって飛んできた。皆いっせいに身を守るためにカートを盾にした。
「危なねぇなー。」
まったくコースに打ってくれないことには前に進みそうになかった。まだティグランドからの脱出
もしていないのに前の組はグリーンを終わってカートで次のホールへ向かっている。
(・・・おいて行かれた。)キャディさん的にはそのことが一番辛い。
そして全員がグリーンの手前、60ヤード付近で奮闘中に後ろの組がティショットを打って来て、
ほんの30ヤードほど後ろですでに「待ち」体制に入っている。
(・・・もう待ってるよ、まだグリーンに乗ってもないのに。)キャディさん的には今日もやられ
た、の一言に尽きる。
スタートホールがとてつもなく長く感じた。多分、キャディさん以上にお客様もそう感じたに違い
ない。1人だけパーを除けばあとの3人のスコアは8、10、13ということだった。やっとカー
トで次のホールに向かう途中、キャディさんはとてもイヤな予感がした。次は谷越えのショートホ
ールなのだがピンの位置次第ではとんでもない距離になっている場合がある。
 そしてキャディさんの予想以上にとんでもない距離になっていた。
「・・・190ヤードです。」
「は?」
「え?」
「ここショート?」
3人のお客様が同時に声を出した。「ちょっとゴルフやってますよ」風のお客様のときには同じ1
90ヤードです、というキャディさんの云い方にしても少しだけ意地悪してさも当たり前の様にう
ちのショートホールはレギュラーからも190ヤードあるのよ!これが普通なのよ、乗せてみなさ
い!ふん!・・・みたいな気分で簡単に云っていることなのだが、今日は意地悪はする気分でもな
かったし、どうにか全員が無事にこの谷さえ越えてくれますように、と祈る気持ちだった。
オナーだけはまとな人だったのでグリーンにオンしてニアピンが取れた。あとの3人が問題なのだ。
2人は谷に落として「プレイング4」からということになったのだが、スタートホールでキャディ
さんのみぞおちをかすったお客様が空振りをした。
「あー!空振りしたー!これも1打か。」
キャディさんは同伴者を見回して「空振り、無かったことにしません?」と早口に切り込んだのに
「キャディさんいいよ、空振りもちゃんと数えなくちゃ!」と本人がやる気満々だった。
いつもだったら「空振りもちゃんと数えてよー」と思うキャディさんではあったけれど、今日はそ
んな呑気なことを云ってる場合じゃないのだ。
「じゃ、これが2打目ね。」
お客様はそう云ってクラブを振った。
「・・・。」
キャディさんが避けたかった最悪の状況になってしまった。
「あーあ、谷に落ちゃった。前(プレ4)からよね?」
空振りもちゃんと数えた素直で澄んだ瞳でお客様はキャディさんに云った。
「・・・打ち直しです。」
「え?だってここ”プレイング4”って書いてありますよ。」
ティグランドに書いてある看板を指さして、しかも先に谷に落とした2人はカートに座っているし、
なんで?という顔をしてお客様は聞き返した。
「ええ、そこに書いてありますよね、第1打がO.B.のときは・・・って。」
「第1打・・・」
「お客様の第1打は空振りだったので今のは2打目なんです。」
「2打目のときは?」
「・・・O.B.ですから打ち直しです。」
「・・・えっ!」
今頃気が付いても遅いのだ。
O.B.ってことは谷を越えるまで打ち直しをしなければいけないのだ。
キャディさんが一番心配していたことはこのことだった。
(だから空振りなしにしません?って云ったのに〜!)
結局、谷にそのあと2球落としたもののなんとか先に進むことが出来たが茶店で「点滴」を打つと
云って聞かないので(笑)茶店にも寄り、やっとの思いでハーフ上がる(調度2時間)と1組目は
もう、後半のスタートホールにいた。
「いくつ叩いた?」
「えーっ、聞くの?俺は41なんだけどぉ、68、70、75・・・」
「違う、78!」
「あ、ごめん、78だって。」
「どっちでもいいよ、75でも78でも。(笑)キャディさん、疲れたでしょ。」
と気を遣って言葉をかけてもらったが、これほど叩いても自分のスコアはちゃんと自分で数えてマ
ナーも良くて、皆さん明るくて面白くってキャディさんは一緒にまわってとても楽しかったのだ。
後半も頑張らなきゃ!と思った矢先・・・
「昨日もこの近くのゴルフ場に行ったんだけどさ、キャディさんのお母さん達くらいのおばちゃん
ばっかで怒られちゃってね、しかも全部歩きできつかったんだぁ。ここはキャディさんも若いし、
カートだし、2日ともここにすれば良かったのにねー。」
「・・・そーなんですか。」
そりゃあ、・・・1日で良かった。(^。^;)


2000.11.11(はれ)

『感動をもう一度』
キャディさんたちはOUTコース、INコース、ともに同じ時間にそれぞれ2手に分かれてスタート
する。よって、お客様には迷惑な話だがどっちが先に上がってくるかしばし競争をすることがあ
る。すでにOUTからのカートが上がっているのを横目に急いで控え室に戻ると「早かったねー。」
と勝者を称えてお茶を一口飲んでおにぎりを急いで食べる。
「3番で、ホールインワンしちゃいました。」
「えっ!」
おにぎりを詰まらせてお茶で流し込むとキャディさんはいいなぁ、という顔をした。まだ、一度も
ホールインワンを見たことないのだ。
「それでお客様に、早くハウスに戻って証明書を書いてもらいましょう!って云って早く帰って来
れたんですよ。いい口実が出来て助かりました。」
なかなかお客様にプレーを急いでくれ、とは云えないものなのでそういうことであればお客様も喜
んでプレーを早めたに違いない。
「わたしのお客様、ホールインワンの感動をもう一度味わいたいらしくてINコースまわったらまた
OUTコースまわるそうです。」
「へえ。」
なんか、そういうのいいかも!


2000.11.12(はれ)

『合コン』
「ここのキャディさんは若いね〜」とは耳にタコが出来るくらい聞いているが実際のところ平均
年齢は「23.071歳」・・・確かに若いと云えるだろう。
「キャディさん達がみんな若いねー!」
今日もショートホールでお客様とこういう会話になった。
「ええ、そうですねぇ。平均が23歳ですから。」
「ひえー!23歳だって。ここのキャディさん達には年齢制限とかあるんじゃないの?」
これもいつもよく云われることなのでキャディさんは答えをあらかじめ用意している。
「ありますよー。29歳までなんです。」
真顔でそう云うとだいたいお客様方はびっくりされる。
「ほんとにー!?すごーい!」
んなわけないだろうが、とキャディさんはいつも思う。
「合コンしようよ!」
「・・・ご、合コン、ですか?」
キャディさんは後ずさった。


2000.11.14(はれ)

『引継事項』
ハーフで交代するときにはキャディさん同士のちょっとした情報交換が行われることが多い。
「ねえ、お客さんどんな?」性格は?プレーは?遅い?早い?上手?下手?・・・などなど、キ
ャディさん達は自分たちの次の仕事にそれらの助言をいかすことになる。
「1人、67叩いた方がいるんですけど、でも走ってくれるから助かってます。」
「ろくじゅうなな〜」
「ええ、それから打つ前に”かるく振ってください”って云ってあげてください。」
「何それ〜(笑)、毎回云うの?」
今度付くお客様への簡単な引継が行われた。
聞いてたとおり、一番体の大きなそのお客様は見てすぐにわかった。
ティグランドでお客様それぞれにドライバーを手渡すと一番最後にそのお客様がティアップした。
「かるく振ってください。」
キャディさんは聞いてきた通りの台詞をお客様に投げかけた。
「・・・おおっ、引継がばっちり出来てるねー!」
打つ前に笑って調度いい具合に肩の力が抜けたのか、お客様のドライバーはいい当たりだった。
「いや〜、キャディさんが替わるとショットも違うねー。」
こらこら!キャディさんは笑いながら「その言葉、さっきの子に伝えておきますねー」と云った。


2000.11.15(はれ)

『弟』
「キャディさん、何歳?」
ほぼ毎日聞かれることだが「俺の息子、31なんだけどまだ独身なんだよね。」というお客様に
「まあ、それじゃあ調度いいじゃないですか!」
キャディさんは自分の歳と調度いいと、お客様に向かって云って返した。
お客様は予想外のキャディさんの返答に対して「そ、そうだね。弟がいるんだけど、弟はまだキ
ャディさんには若すぎると思うんだ。」と云った。
「弟さんは何歳ですか?」と聞くと
「これがまた20歳になったばっかりなんだけど、いい男でねー。」
急に嬉しそうに喋りだすお父さん。(笑)
「身長が178cmで、顔がまたいい。いやー、実にいい男なんだ。」
「はあ。」
キャディさんはアプローチを手渡しながら「お兄さんはいい男じゃないんですか?」と聞いた。
「兄貴はまあ、普通かなー。弟がいい男なんだよ。」
「でも弟さんじゃわたしには若すぎるって云ったじゃないですか。」
「・・・。」
別にキャディさんがせっぱ詰まってるってわけではない。(^_^;)


2000.11.16(くもりのちあめ)

『七不思議』
14番のミドルホールはレギュラーティから424ヤードあり、2オンするのも難しいホールだ。
平気で200ヤードは残るので「キャディさん、ここミドル?」とお客様はいつもキャディさんに
確認せずにはいられなくならしい。
「はい、ミドルですよー!」
その度にキャディさんは大きな声で云い返し、「ハンディキャップ「1」じゃない?」と云われる
度に「2」です、と云い返す。ここが「2」ならば一体ハンディキャップ「1」ってのはどんなホ
ールなんだ?お客様はそういう目をして遠くになびく旗を見つめてはため息を付く。
「ピンまで230ヤードなんて、届かないから打つねー」
「どーぞー。」
前の組がグリーンにいてもこのホールだけはキャディさんはセカンドを待つことはあまりない。
「ナイスショット〜!」
グリーンに届きはしないものの、とてもいいショットだった。
「わ〜、今当たった〜!」
アプローチもいい感じでピンに向かって行ったけど1ピン弱残った。
「もしかして、これ入れたらパーだよ!」
上りのスライスラインは弱かった分、わずかに手前から切れてボギーだった。
「すっげー!ボギーだって。今日の七不思議の1つだね。」
お客様がスコアをつけながら云うのでキャディさんは笑ってしまった。
「あとの6つは何なんですか?」
「それは教えられない。」


2000.11.17(くもり)

『アンプレヤブル』
「どうします?」とキャディさんはさっきからお客様に云っているのだがお客様は一向に答えては
くれない。ツツジの植え込みの中で必死にアドレスを取ろうと必死なのだ。
ボールはツツジの根の中に入り込んでしかも握り拳ほどの石がピンへの方向をさえぎるようにして
あった。キャディさんは「アンプレヤブル」すればいいのにな〜と思っていたのだがお客様にはそ
の気が一切なさそうだ。
「あの〜、そのまま打ちます?アンプレはなしで?」
「あったりまえたいっ!このまま打つ!」と九州男児の意地らしい。
「この枝が邪魔なんだよなー」
「ああっ!折らないでくださいね、折ったら2ペナですから。」
キャディさんは慌てて忠告した。
ピンに向かってアイアンを振るのであれば、間違いなくその握り拳大の石ごと打たなければならな
いが・・・
「あの〜、ほんとうに打つんですか?アイアン、今日下ろしたばかりなんですよね?(笑)」
「よか!このまま打つ!」
新品のアイアンは初日から前途多難であった。


2000.11.18(はれ)

『女子プロ』
チャリティコンペには男女のプロゴルファーが合わせて10人くらい来ていただろうか。
「わたしのところ、女性ばかり4人なんです。付いて行けないかも・・・」
スタート前に後ろの組のキャディさんはそう云って不安な顔をした。
目線の先には色とりどりのカラフルなゴルフウェアに身を包み、ひときは目立つ女性の集団が見え
た。
「あのピンク色の服を着てる人、初めって云うんですよ。ああ〜、どうしよう。」
「コンペだし、どうせ先で詰まってるだろうからゆっくり来なよ。」キャディさんはそう励ますと
女性集団を後に先にスタートした。
・・・なんかおかしい。
2、3ホール行ったところですぐに気が付いたことがある。さっき一番心配してたピンクの服の人
ってなんだかいつもいいところにボールがある。いいところというのはティショットの狙い目であ
り、次のショットを考えたところに打って来ているって意味だ。
確か、女子プロも来てるって聞いたけど?
「さっきの人、プロでしたぁ!」
茶店で追いつくと後ろのキャディさんがそう云って走って来た。
「やっぱりね〜、なんかおかしいと思ってたんだよねー。」
「初めてってのは、このコースに来たのが初めてってことでした。ゴルフするのが初めてじゃあり
ませんでした。(笑)」
女子プロが聞いたら怒るだろうなー。


2000.11.19(くもり)

『ホールアウト後』
キャディさんのかぶってるいる帽子はイギリスのコナン・ドイルの小説の主人公「シャーロック・
ホームズ」を思わせる。前と後ろに「つば」があり、前後からのゴルフ・ボールの飛来に備えてデ
ザインされていた。帽子の中はプラスチック製のヘルメットになっており、もしものときはキャデ
ィさんの頭を守ることになっている。
そんな帽子をかぶったキャディさんとお客様がグリーンをホールアウトしてカートに乗り込もうと
歩いていると「フォアーッ!」の声が聞こえてきた。お客様たちは自分たちのスコアを付けること
に一生懸命で後続のキャディの「フォア」の声も聞こえているのか聞こえていないのかダラダラと
グリーンを歩いていた。
「危ないですよー、早くカートに乗ってくださ・・・」
バサッッ!
「・・・。」
お客様を誘導していたキャディさんの目の前にボールが降ってきた。
「・・・キャ、キャディさん!?」
ボールはキャディさんの帽子の「つば」をかすってキャディさんの体とお客様のクラブを持ってい
る右手との間を通過してドスッと鈍い音をたてて落下した。
ホールインワンの経験(お客様の)もないが打球事故の経験もない気丈なキャディさんは「あぶな
いなーピンに向かって打ってくれよ。」くらいの気持ちで「さあ、危ないのが分かったところで早
くカートに乗ってくださいね」とお客様に向かって云うとお客様たちは無言で駆け足になった。


2000.11.21(くもり)

『チッパー』
「わぁ〜、ピッカピッカだよ。(笑)」
クラブを見た瞬間、キャディさんは笑ってしまった。
「ちょっとー、大丈夫なの?後ろから来るけどあんまりひどいようなら援護射撃するからね。」
と云ったのはパートのキャディさんだった。援護射撃とはつまり、打ち込んでやるからね、という
意味でいうなれば脅しである。
「こんなところにチッパーがありますよ。」
「あら、おじいちゃん?」
「いいえ、あそこにいる背の高いいい男です。」
「顔でゴルフは出来ないからねー。」
確かにちょっと顔が悪くてもゴルフが上手けりゃ格好良く見える。スキーと似てるな、とキャディ
さんは思った。それにしても若いいい男にチッパーとは不釣り合い極まりない。


2000.11.22(はれ)

『ライン』
コンペのトップの組はもの凄くプレーが早くて4人でいっぱい叩いても1時間45分でハーフを終
了した。後続組のキャディさんは「全然見れない、付いていけない」と帰ってから愚痴をこぼした。
「ねえ、グリーンとか色々聞かれない?どっちに切れる、とかどれくらい切れる?とか、毎回みん
な聞くからこっちも慎重になりすぎて前に追いつくどころじゃないよ。」
キャディさんによっては聞かれない限りラインをアドバイスしない人も中にはいるだろう。それは
お客様による場合もある。いつも来ているメンバー様などは自分でわかっているので敢えて聞かな
い方もいればラインのアドバイスを必要としない方もいる。
また、おそろしく上手なプレーヤーには聞かれない限りよけいなことを云わせない雰囲気がある方
もいるのでキャディさんとしても慎重に対応しなければならない。
「わたしのところ、全然平気。なんかお客さんたちみんなおおざっぱな人たちなんだもん。」
「えー、ラインとか聞かない?」
「うーん、”キャディさん、切れるー?”って云うから”はーい!”って云っといたけど。(笑)」
「・・・。」
「最初だけね。(笑)わたし、どっちかと云うと聞かれる前に”ここです”って云う方だから。」
「そうなんだぁ。」
「うん、だって云っておかないと何処に打つかわかんないでしょ、それにその方がグリーンも早く終
わるし。」
「・・・はあ。」
キャディさん同士の会話と云うことで・・・・。


2000.11.23(はれ)

『足跡』
ティショットはバンカー越えが一番の近道・・・。そんな甘い言葉にはまりやすいのはゴルファー
なら誰でも一度は経験したことがあるだろう。ショートカットで人よりも距離を稼ぐ。しかし、コ
ースもそう甘くはなかった。
「ああ、バンカー入ってますね。」
「なんじゃ、俺は180ヤードも飛んでないんか!」
180ヤードでバンカーを越えるとキャディさんに云われたことをお客様は思い出した。
「うわ。」
キャディさんはバンカーに入っている球から目を反らした。
「・・・足跡の中に入ってんのか!?誰だよ、バンカーならして行ってない奴は!」
まったく、自分がバンカーに入った跡をならしていない人がいるなんて、今はエチケット月間中だ
というのに。
「これは、ちょっと、あー、もう!出したらダメだよねー?」
とんだ災難に見舞われたお客様はどーしても納得がいかないらしく周りの同伴者達を見回した。こ
ういうとき、キャディさんも何とかしてあげたいという気持ちはあるのだがゴルフの基本は「ある
がまま」なので結局はどうしてあげることもできない。
「そこに打ったお前が悪い。」
「そう、そう、入れた方が悪い。」
「出したら2ペナだかんなっ!」
ああ、優しいお友達を持ったもんだ。(笑)


2000.11.24(はれ)

『お相撲さん』
乗用カートは普通キャディさんが運転して、助手席に1人、後部座先に3人並んで座るように作ら
れている。体の大きい人が3人だと少し窮屈に感じるが、まあ、乗れないことはない。
「ちょっと、きついかなー」
お相撲さんがやってきた。
そしてカートに座るとそう云った。
キャディさんは見てしまった。お腹がつかえてカートに座っている、というより挟まれてる、って
感じのお相撲さんを!
今回はお相撲さんは2人だったが(前回は3人やってきた)カートをもう一台出すことになった。
とても全員が1台のカートには乗れるような状態ではない。
カートのタイヤにも空気を入れ直した。カートが・・・きつそうだった。


2000.11.25(はれ)

『スライス』
お客様は真剣にラインを読んでいた。そこにお客様にパターを渡し終えたキャディさんがピンを抜
いて「下りのスライスですねー。」と真剣な雰囲気をあっさりぶち破ってにこっと笑って云った。
「・・・えっ?スライス?フックでしょ?」
お客様は今まで座り込んでパターをかざしたり顎に手をやり考え抜いたラインが全く反対であるこ
とに憤慨した様子だった。しかし、ラインは間違いなくスライスなのだから仕方ない。キャディさ
んは繰り返した。
「スライスですよー、この辺です。」とピンを差して云った。
「・・・。」
お客様は仕方なくキャディさんの云う方向に打ち出すことにしたらしい。パターのフェイスがキャ
ディさんの足下を向いた。
「あら〜、本当にスライスだ。」
本当も何もはじめからスライスだと云っているのに、とキャディさんは思ったが口には出さなかっ
た。続いて同じ方向から打つお客様が「フックだよねー?」とキャディさんに聞いた。
「スライスですよー」
キャディさんは今同じところから打ったばっかりなのに見てなかったのかい?という顔をしたが愛
想良く笑ってそう云った。
「えー、スライス?」
しかもさっきのお客様と同じような返事までする。打ったボールはスライスして行った。
3人目のお客様もほとんど変わらない場所からのパッティングだったがキャディさんはびっくりし
てこう云った。
「スライスです〜〜〜〜っ!」
なんと3人目のお客様まで「フック?」っと聞いたのだ。
そして「え?スライス?」
さすがに今度は「俺たち2人がスライスしたじゃないか!」と同伴者が笑いながら云ってくれた。




2000.11.26(はれ)

『日頃の行い』
云ってしまえば日本人は何でも「日頃の行い」が
いいとか悪いとかでその場の出来事を片づけてしまいがちだ。
パターが入らないと「日頃の行いが悪い」ということになるが
今日のお客様は「友達も悪い」と云い返したので
キャディさんは思わず笑ってしまった。


2000.11.28(はれ)

『ゲスト』
7ホール目のショートホールでお客様がパーを取ったところで、
キャディさんはゲスト(=ビジター)のお客様にこう尋ねた。
「あの〜、お客様はどちらのメンバー様なんですか?」
「うん?ぼく何処も持ってないんだ。」というのがお客様の返事だった。
「えー、そうなんですか!?」
キャディさんはちょっとびっくりしてしまった。
このお客様、すごく上手いのだ。あんまり上手な
お客様に付くとつい、何処のメンバー様なんだろと思って確かめてみたくなる。
普通はお客様に聞かなくてもキャディバックを見ればすぐにわかることだが、
お客様のバックにはプレートが付いてないので直接聞いてみたというわけだった。
「だって、年に4、5回しかゴルフしないもん。」
「ええっ?」
なんかキャディさんはおちょくられているような気がしたが
黙って8番ホールのティショットを終え、セカンド地点に向かった。
「ピンまで残り120ヤードですけど、打ち下ろしがありますから
110ヤードくらいで見ててください。」
「うーん、どうしようかなぁ。
110ヤードかぁ、風がずいぶんとアゲてるからなぁ・・・」
とクラブを2本持って悩んでいた。そして続けてこう云った。
「でもここ(のグリーン)は手前から転がって止まらないから・・・」
「よく知ってますね。」
キャディさんはここぞとばかりに突っ込んだ。
「い、いやね、止まらなそうーな気がしただけだよ。」
お客様は随分とぼけた顔をしてあくまでもしらを切るつもりのようだ。
受けグリーンなのに手前から乗せたら
めちゃくちゃ転がっていくこのグリーンに来ると
キャディさんは番手を1つ落とすようにとアドバイスすることにしている。
ゲストのお客様でそこまで把握しているということは結構来てるってことじゃないか!?
お客様はこのホールまでパープレーで、最終ホールをボギーにして「37」だった。




2000.11.29(はれ)

『ショートホールにて』

前半のハーフでかなりうちとけたキャディさんとお客様4人は
後半2ホール目のミドルホールでお客様の1人にバーディーがきてさらに盛り上がりを見せた。
「やっと入ったー」
というバーディパットは
下りのフックラインで打つ方も勇気がいるようなパッティングだったが
見事なタッチで皆歓喜の歓声を上げて祝福した。
次のショートホールに移るとお客様は喜びのあまり
ティグランド横の溝に足がはまってしまった。
・・・というのは正確ないいまわしではない。
喜びのあまり、周りを見ずに歩いていたため気が付いたら左足が溝にはまっていた、
というわけだ。
「バーディー取るとろくなことないな。」
お決まりの皮肉を同伴者が云い、キャディさんも一緒になって笑った。
そしてショートホールの距離を計算して108ヤードの打ち下ろしです、
とお客様に告げた。
「ねえ、キャディさん、こういうときはみんなどこを狙って打ってんのかなぁ。」
お客様の1人が云い終わると同時にキャディさんは大きな声でこう云い切った。
「ピンですっ。」
ビシッ!間髪を入れずにグリップがキャディさんの脇腹に入った。
「ノー、ノータッチですっ!」
キャディさんはのけぞりながらさらにそう云った。




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